事前アンケートまとめ ※地域づくり協議会の委員(障害当事者、事業者、市民委員など)を対象に2024年10月に実施  したアンケート結果です。 1.明石市内で、障害のある人が利用しやすいと感じるお店(または事業者)の環境や、対応が良かったと思うことがあれば記入してください。 障害のある人が利用しやすいと感じるお店  レストラン  配慮のあるお店はリピートして顔なじみになり、より利用しやすくなる。  カフェ 適度な仕切りを入れながら、安心するお店づくりができた店(心に病がある人は、オープンな場所でジロジロ見られる恐怖感や不安感があり、また密室でも閉塞感から不安になることがあるため)  明石市役所  障害に関する相談を受ける事業所  バス  コンビニ、スーパー、薬局等 商品棚の高さが比較的低いスーパーや、店員が丁寧に対応してくれる(清算済みカゴを作荷台に移動させてくれたり、近くまで来て声かけをしてくれたりする)  スーパー。 ・出入口の段差がなくドアや通路の幅が車椅子でも通れるほど150cm以上ほど広く  ドアの開け閉めが負担なく同行援護の人も同時に出入りできる店 ・外からテーブル配置などが見える(店員さんや連れと話しやすいかどうか) ・写真メニュー、タッチパネル、メニューのフォントが統一されていて見やすい ・呼び出しボタンがある(音声で店員を呼びにくい) ・レジは客側から金額を視認できる ・音声情報と視覚情報が同時発信されている(案内やタイムセールなど) 対応が良かったと思ったこと ・個室をいつも用意してくれる(奇声や多動などがあるため、他の客への配慮?) ・メニューを選ぶ際にじっくり待ってくれる。(知的障害) ・カフェに知的障害のある人と行ったとき、ご本人に入店時の対応(人数や、カ  フェか食事かなどを答える)を任せて見守っていたら、店員はきちんとご本人と  話をしてくれた。 転入してきた人が、「明石市職員の対応が良かった。明石は優しい町ですね。」と話してくれた。 バスの運転手さんが車いすユーザーを介助するとき、声掛けをして丁寧に対応する姿を2回見かけ、気持ちよく待つことができた。 対応が良かったと思ったこと  コンビニで、店員が買物のサポートやレジでの決済まで付き添ってしてくれる。  (視覚障害) コンビニやスーパーや薬局等で、店員が一緒に買い回りして、商品の説明も一つずつ丁寧にし、レジや袋詰めもしてくれた。(視覚障害) 障害に関する相談を受ける事業所で、本人の困り感に寄り添うだけでなく、手立てや選択肢を提示すると、「来てよかったです」と言ってもらえることがある。  カフェで、同行した1人が車いすで入店しようとしたとき、店員が入店しやすく  してくれた。このような店が増えてほしいと願う。  パピオス明石のレストランで、順番待ちの名前の代筆や、待合スペースへの案内  など、丁寧に対応してくれた。(視覚障害) ・筆談器の設置があり積極的に使用してくれる。 ・店員から声をかけるときは、マスクをいったん外して表情や身振りを豊かにしてくれる。 ・順番呼び出しの時に、聞こえない客にはアイコンタクトするか、近くに来てくれ  る(飲食店、病院)。(聴覚障害)  インバウンド(外国人)の方向けの施策かもしれないが、レジ付近にコミュニ  ケーションボードを貼り付けているお店が増えてきたように思う。東京オリン  ピックで【ピクトグラム】という言葉が一般化した影響は大きい。 2.明石市内で、お店(または事業者)の人と話をしていて、「障害のある人の気持ちや、困っていることなどを理解してもらえていない」と感じたことがあれば記入してください。 「障害のある人の気持ちや、困っていることなどを理解してもらえていない」と感じたこと (お店を選んで利用するのであまりないが) 「障害がある」と分かったうえで困った顔をされる、急かされるなど。  (障害のある人との外出の経験はほぼないが) 高齢の母と買い物に行ったとき、母が購入するのに、店員が私に説明しようとしたので、母に説明するよう求めたことはある。白髪の母を見て、説明しても難しいと思ったのかもしれないが、外見で判断しての無視は、障害の有無に関係なくあると思う。  あまりにオープンなお店だと、全面が見渡せるので店としてはいいだろうが、心  に病がある人にとっては、全員から見られている気がして入ることができない。  オーダーを聞かれる際も、つっけんどんな話し方をされると、怒られているよう  な気持ちになる。優しい気持ちでオーダーを聞いてもらえるとありがたい。 社協のプールの申し込みをする際、日程には「障害者、高齢者」と書いてあった。「障害者や高齢者ではなく、何か別の表現方法はないか?」と言われた。外国ではギフテッドということもあるし、日本の小学校でも、「なかよし学級」など、障害者とは言わないのに、という話を聞いた。  視覚障害のある人と面談の日程を調整していて、少し先の日程を提示したら、  「そんな先のことは分からない、覚えられない」と言われハッとした。  支援者として「大丈夫ですよ」と言ってしまいがちだが、本当に不安を感じて  いる人にとって、根拠のない「大丈夫」は安易である、軽いと感じられてしまう。  今のところ、理解してもらえない店に当たっていないが、(理解のない店に)出会  えば、理解してもらえるよう話をしていく。  コミュニケーションボードを設置・貼り付けしているお店は少しずつ増えている  印象はある。ただ、それがあくまでも【会社やお店】の姿勢を表明するものに留  まっており、【店員さん個人には浸透しておらず、活用されていない】印象が強い  のも事実。世に対する啓発はもちろんだが、そのメッセージを受け取った事業主  が社内に浸透させていく教育の必要性を感じた。  視覚障害があるので、あるスーパーで店員に「店内を同行しサポートしてほしい」  と伝えたが、断られた。話し合い、サービスカウンターで必要な商品を伝え取り  に行ってもらうことはできるとのことだったが、目的の商品を正確に覚えて指定  するのではなく、その場で選びたいので、その対応には納得いかなかった。 ・障害者本人とのやりとりなのに通訳者又は健常同行者に向かって話される ・耳がきこえない、と伝えているのに「連絡はお電話で…」と言われる 3.今後、だれもが暮らしやすいまちをめざして、@自主的に「こんな活動をしていきたい」、A行政と連携して「こんな取り組みをしたい」と思うことを書いてください。 @自主的に行いたい活動  障害のある人と積極的に外へ出かける。そこで気づいたことを施設での支援に活  かす。そこで出会った人の経験にもなると思う。  障害のある人から相談を受けたときは、相手の目を見ながら意見を聞くことから  始める。ご本人の気持ちをまずは理解することに努めたい。(自分の意見は最小限  にする)  現在は月に1度、サロンを開催している。対象は誰でもOKとしているが、シニア  の人が15〜17人来られている。続けるための努力をしたい。  私たちのグループに、障害のある人が1人でも多く参加してほしいと思う。今後も  障害のある人に声をかけていくつもり。  一般の人達のサークルや団体にはいって、共に活動し、感動・達成感を共有したい。  障害当事者の私も又、「取り残されない」努力を…。  オリンピックで注目された「ピクトグラム」は、シンプルなイラストで意思主張を  伝えやすいメリットが大いにあると思う。外国人のみならず、障害を持つ方、ご高  齢の方向けにも利用価値は高いのではないだろうか。  私自身は制作・印刷会社を経営する立場なので、今後、【外国人の方や障がい者の  方向けのピクトグラムの入ったチラシ制作を承ります】などとアピールしていく  ことで、【ピクトグラム=障がい者の方向けに有用である】という意識を啓発して  いきたい。 A行政と連携して行いたい取り組み  障害のある人の体験談を聞くのはいいが、話す方が一方的に話すだけでなく、「こ  んな時どうしたら?」と問いかける形にし、一緒に考えていく姿勢が、障害のある  人にもない人にも必要だと思う。  当事者の話を聞くのも大切だが、一方通行で「そうなんだ」という感想で終わるこ  とが多い。リアルな障害体験イベントなどで実体験をしないと、本当の意味では理  解できないと思う。そういう体験と合わせて、ご本人からどう対応してほしいのか  等を語ってほしい。  心のバリアフリーを推進していくことの大切さについて、相互に連携して取り組  みたい。(ハード面のバリアフリーはもちろん大変だが、こころのバリアフリーは  さらに難しいと思う)  日常生活に必要な情報が、それが必要な人に届けられるよう、情報弱者への情報発  信の方法などについての話し合いや啓発の機会を持つ。  一般の人に対して、障害のある人が働いている事例を紹介するセミナー等の開催  を、連携して行いたい。 A行政と連携して行いたい取り組み 先日、ファシリテーターの講習会に参加した。耳の聞こえない人と手話で会話し、楽しかった。多くの人が、手話ができるようにしてほしい。明石市はもっと、誰にでも優しい、安心して住みやすいまちになってほしいと願う。市民が全国で一番住みやすいまち、自慢できるまちであるよう、行政とともに努力していきたいと思う。  何か提案があれば、検討する。 障がいを持った方を採用していきたい、障がいを持ったお客様にもご利用いただきたいと願う経営者たちは周囲でも増えている。一方で、それらの意識を社内に共有していくための社内教育において、経営者個人のマンパワーに頼ることには限界がある。たとえば行政による【中小企業向け、障がいを持ったお客様をお迎えしているお店の事例発表会】などを実施できないだろうか。事例そのものが役に立つのはもちろん、その勉強会に参加された企業名などを公表していく仕組みを取り入れれば、各企業にとってもイメージアップに繋がり得る。  障がい者の方への理解を深めるという一点に落ち着くのではなく、障がい者の方々との関わり合いを積極的に持っていくことが企業にとってのインセンティブになるという仕組みづくりを行政には訴えていきたいし、そのような仕組みを背景に、私自身も経営者たちへ、日々の発信・経営者たちの会合などで積極的に呼びかけていくことに努めていきたい。