第3回(仮称)明石市手話言語及び点字・ひらがな表記等障害者のコミュニケーション手段を促進する条例検討委員会 日時:平成26年11月7日(金) 午後1時〜3時 場所:明石市役所議会棟第2委員会室 (議事概要) 1 条例概要(素案)への意見 ・「見ること」「書くこと」ができない視覚障害者にとっては、「代筆」も必須のコミュニケーション手段と言えるが、定義のところにあがっていない。相手から返答を求められるようなやりとりにおいては、代筆もコミュニケーション手段という概念に含まれると考える。視覚障害者にとっては不可欠といえる代筆を条例の中に入れてもらえないか。  →(事務局)代筆について一定の意見が出ていたが、差別事例としてあがっていたこともあり、差別解消条例の検討段階での議論と解釈していた。また、代筆は法律上、代理行為に該当する場合も考えられるため、コミュニケーション条例で規定することが難しいが、最大限配慮していきたい。 ・同じく定義の「手話等コミュニケーション手段」のところで、音訳と少し区別して代読についても言及できないか。読んでもらうことで理解できることも多い。市役所からの文書なども、簡単な内容であれば点訳できるが、通知文すべてを点訳できるとは思わない。そういった場合に、例えば市役所内の各部署で代読対応ができれば助かる視覚障害者も少なくない。 ・定義にある「障害者」は、障害者手帳所持者に限られるのか。  →(事務局)この条例としては手帳の有無は関係ない。 (上記意見を受けて) ・現場の意見として、障害者雇用の分野においては、障害者手帳の交付を受けていることが前提となっている。そのこともあって、「障害者」という枠を超えることができない。共生社会の実現という大きな理念を考えると、「障害者」ということに過度にこだわることが適切だとは思わない。障害者手帳の有無にかかわらず、高齢者や子どもなど生きにくさを抱えた人も含めて、すべての人が共生できる社会をつくっていく必要があるということが根幹にあることをあらためて自覚するべき。 ・障害者側の責務という規定がないが、いかがか。障害者の方が社会に出てきてくれて、交流があって初めて相互に理解することができると考える。障害者にも積極的に社会に出るような意思を持ってほしい。  →(事務局)鳥取県手話言語条例にある「ろう者等による普及啓発」(第14条)が今の意見の趣旨に近いところではあるが、現時点で市が障害者の側に責務を課すというスタンスは適当ではないと考える。 (上記意見を受けて) ・障害者と健常者が互いに理解・努力をし、ともに共生社会をつくっていくことが必要だという趣旨と感じた。もっともだと思うが、ノーマライゼーションという枠組みについては、来年度の差別解消条例の方で謳っていけばよいのではないか。 ・「市民の役割」という記載があったが、ここにいう「市民」には障害者は含まれていないのか。市民という中に障害者も含まれているのであれば、特に障害者の役割・責務という定義を設ける必要はなく、市民の役割という項目があればそれで十分でないか。  →(事務局)障害者も健常者も「市民」。障害者も含めてすべての市民が基本的理念に対する理解を深め、障害者であれば障害種別の異なる障害者への配慮などもしていけばよいのではと考える。        今回の検討委員会にはいろんな種別の障害を持った当事者の方々にも参加いただいており、条例検討段階での市民参画という点でも、まさに市民の会議であると感じている。 ・今回の条例が成立したら何が変わるのか。障害者はこういう条例を待ち望んでいた。その期待感に応えていく条例にしていく必要がある。来年度の障害者差別解消条例に任せる部分が多くなっているのではないか。 →(事務局)あくまでこの条例をきっかけにして、これからお互いに意見を出し合って社会を変えていくことになると考えている。行政だけでできることも限られているため、当事者や支援事業者等の知恵も借りながら、ともにコミュニケーション手段を促進していきたい。 差別解消条例との関係では、今回の条例が差別解消のための第一 歩になると考えていることから、差別解消条例につなげていくという説明をしている。来年度に委ねるということではなく、今年度できることから始めているというスタンスである。