資料1 明石市の取組状況について(報告)  明石市では、新型コロナの長期化を見据え、市民を守る「市独自の15の支援策」を行うなど、市民ニーズにあわせて様々な支援をおこなってまいりました。  今回は、インクルーシブ担当が従事した「緊急アンケート」の取組や、当事者参画モデル事業「(仮称)あかしユニバーサルアドバイザー制度」の実施結果について報告します。 1.緊急アンケートの実施(5月末から)   コロナにより、人との距離の確保や接触を避けることが求められるなか、高齢者や障害者など支援が必要な人の孤立を防ぐため、新たに「緊急アンケート」を実施しました。 具体的には、タクシーや弁当等の宅配に使える「サポート利用券1万円ぶん」にアンケートを同封し、寄せられた困りごとに応じて、電話や訪問、手紙での情報提供などで必要な支援につなぎました。 (1) 送付概要 ※8月28日現在   ◇送付対象:70歳以上の高齢者及び障害者手帳をお持ちの障害者   ◇送付数:69,474通   ◇返信数:21,512通(送付すうの31.0%)   ◇送付ぶつ:次の5点を封筒にて送付         @ 緊急アンケートハガキ         A サポート利用券         B 高齢障害ダイヤルチラシ         C サポート利用券及びアンケート説明しょ         D 個人情報保護シール (2)意識した配慮内容  ・チェック欄「市からの連絡を希望する」を設定。  ・印刷物の文字を大きく、ルビ振り対応。  ・視覚障害のある方には、送付内容を説明した点字の書類や音声CDを同封。  ・アンケートの回答が難しいかたには、電話による聞き取りで対応。  ・アンケート回答を簡単にするため、本人情報(住所氏名)をあらかじめ印刷。 (3)対応実績の内訳(644件)    本人が連絡を希望されている場合(178件)だけでなく、困りごとの記載内容により対応が必要と判断した場合、連絡訪問等で支援を行いました。 【参考】 (1) 対応実績一覧  困りごとの内容に応じた対応件数 @不安心配、話を聞いてほしい (電話FAX)105件、(訪問来庁)86件、(手紙ほか)151件、(計)342件 Aコロナ感染時の対処方法 (電話FAX)4件、(訪問来庁)0件、(手紙ほか)2件、(計)6件 B特別定額給付きん (電話FAX)5件、(訪問来庁)0件、(手紙ほか)2件、(計)7件  C生活保護・生活再建・市住 (電話FAX)13件、(訪問来庁)3件、(手紙ほか)0件、(計)16件 D事業主に対する支援 (電話FAX)0件、(訪問来庁)0件、(手紙ほか)3件、(計)3件 E障害者手帳、寿優待乗車制度 (電話FAX)3件、(訪問来庁)0件、(手紙ほか)1件、(計)4件 F税や国保の減免・支払相談 (電話FAX)4件、(訪問来庁)1件、(手紙ほか)0件、(計)5件 G法律や養育費の相談 (電話FAX)2件、(訪問来庁)0件、(手紙ほか)1件、(計)3件 Hその他問合せ (電話FAX)43件、(訪問来庁)1件、(手紙ほか)214件、(計)258件 合計件数 (電話FAX)179件、(訪問来庁)91件、(手紙ほか)374件、(合計)644件 (2)新型コロナの影響で困っていること(チェック方式、重複あり) @件数 (生活費)1,203件、(体調面)3,864件、(介護・介助)593件、(買物・外出)7,924件、(その他)1,020件 A割合 (生活費)5.6%、(体調面)18.0%、(介護・介助)2.8%、(買物・外出)36.8%、(その他)4.7% (3)自由意見(抜粋)   ・サポート券やアンケートなど市民一人ひとりを気遣ってくれることが嬉しい。   ・子や孫など家族の収入が減ったため、経済的な援助が減った。   ・まだまだ働きたいので、働きぐちを紹介してほしい。   ・コロナの正確な情報が、はいらず、毎日が不安で眠れない。   ・外出できないことにより、足腰を中心に体力が衰えている。   ・自分が倒れた場合、病気の夫(妻)の介護をどうすればよいのか心配。   ・コロナにより、病院や老人ホームに入っている夫(妻)と面会できない。   ・こども(障害あり)の学校がない為、介護による精神・身体的な負担感が強い。   ・外出自粛に伴い、人との会話が減り孤独を感じる。気分がふさぎこむ。   ・持病を抱えているが、病院やバス等での感染が怖くて通院を控えている。   ・通院頻度を減らすため、薬を多く出してほしい。   ・こども(障害あり)がマスクをつけられない。外出の際に周りの目が気になる。   ・障害者はマスクや消毒液などの入手が特に難しい。市を通じて購入できるような仕組みがあれば助かる。   ・単身世帯なので将来の孤独死が心配。   ・新聞を取っていないため、広報しでの情報入手ができない。 (4)送付ぶつのイメージ          【送付ぶつ5点(緊急アンケートはがき、サポート利用券、高齢障害ダイヤルチラシ、サポート利用券及びアンケート説明しょ、個人情報保護シール)と封筒の写真】 2.当事者参画モデル事業の実施((仮称)あかしユニバーサルアドバイザー制度)   当事者のニーズを事業に反映するため、当事者に企画段階から参画いただき、当事者と事業者の対話を通して双方の理解を促進させる、当事者参画モデル事業を実施しました。 (1)うおの棚商店がい多目的トイレの改修(2020年4月)   多くのかたが訪れる「うおの棚商店がい多目的トイレ」の改修にあたり、車いすユーザーも使いやすく、来訪者のおもてなしになるようなトイレの整備を目的に実施。  ◆新型コロナによる影響を踏まえて工夫した点  @現地確認の中止し、書面による確認   現地確認することが困難なため、事務局で現状の写真、レイアウト案などの情報を当事者にメール等で送付し、確認いただきました。  A意見交換方法の変更   事務局が個別に聞き取りを実施し、意見を集約して事業者に伝えました。また、事業者に伝える場には車いすユーザーの職員に参加してもらい、当事者の生の声を伝えることを意識しました。 【主な意見及び対応】   ※車いすユーザー、学識経験者など6名に意見聴取    表示方法(まる:対応した、さんかく:今後対応または代替案、ばつ:非対応)   ・清潔面から蓋の開閉を避けるためトイレの蓋を取ってほしい。    ⇒まる:蓋の設置はやめた。   ・便器位置を中央ではなく、どちらかの壁側に寄せてほしい。    ⇒まる:右側の壁に寄せた。   ・ゴミ箱や鏡を使いやすいものにしてほしい。    ⇒さんかく:意見を踏まえ、今後対応。   ・オストメイト、折り畳みベッドを設置してほしい。    ⇒まる:いずれも設置した。   ・介助者も一緒に入って待てるよう、トイレ内スペースを広げてほしい。    ⇒さんかく:構造上難しく非対応。代替案としてトイレの外に待機用のイスを用意する。   ・洗面台に除菌スプレーを設置し、お湯が出るようにしてほしい。    ⇒ばつ:予算の関係上難しく非対応。 【現地確認の様子】  @【車いすユーザーの職員(しら石)と飯塚委員がトイレ内で業者と確認している写真】  A【うおの駅の事務所で、しら石と飯塚委員が、うおの棚の職員や業者とトイレの図面を見て話している写真】 【改修前と改修後の様子の写真】  @【うおの駅入り口からトイレ方向を見た外観図の前後写真】  ・ピクトサインを扉などに大きく表示  A【多目的トイレをオストメイト設置トイレに改修した写真】    ・便器の位置を座って右側の壁に寄せた。 (2) 市所有緑地の段差解消(2020年7月)  2019年のまち歩きで指摘を受けた、市所有緑地の段差解消(スロープの設置)について当事者参画を実施しました。   @うおの棚トイレと同様、コロナかでもあり大人数の参加は避けました。    車いすユーザー2名に参加いただき、スロープの位置、長さに加え、檀上のイスの撤去などについて意見をいただきました。   【現地確認の様子】 @【車いすユーザーの職員(しら石)と飯塚委員が緑地内を職員と確認している写真】 A【2段の段差を上がった場所にある休憩所(テーブルとイス)を確認している写真】 【改修前後の様子】 @【スロープ設置、椅子一脚撤去の前後の写真】2方向から ・段差解消のため、スロープを設置した。 ・壇上の椅子を一つ減らし、車いすがはいりやすくした。 A【緑地内入口付近の前後の写真】 ・東側入口スペースを広げるために、植え込みを撤去した。