2024年度 第1回 明石市ユニバーサルデザインのまちづくり協議会 議事概要 日時 2024年(令和6年)8月7日(水)13:00〜15:05 場所 明石市役所議会棟 2階 大会議室 1.開会 2.会長、副会長の選出 会長に委員、副会長に委員を互選 〇会長挨拶 3.議事 〇議事(1)山陽電鉄藤江駅周辺地区の基本構想の策定状況の報告について ・事務局及び山陽電鉄株式会社より説明 〇議事(2)基本構想に関する意見交換 会長 この場は、委員と事業者とで問題点を共有する場となっている。 それぞれが疑問点などを残したままだと良くないと考えている。 何か補足で説明はあるか。 山陽電鉄 資料の中の主な意見で、藤江駅を高架にして欲しいとの意見があるが、高架には大きなコストがかかり、現実的な問題として難しいと考えている。 また、タッチパネルについて、弊社の券売機が少し古い設計のもののため、視覚障害者の方が利用しやすいタッチパネルのものにはなっていない。駅舎のバリアフリー化のタイミングで、藤江駅だけ更新することは難しく、全駅で統一していく必要があると考えているため、今後の課題として対応していく形となる。 会長 他に踏切と県道についての課題があった。 まず、踏切は山陽電鉄と市で協議する話になるとは思うが、どうか。 山陽電鉄 踏切に関しては、一般的に道路ということになっており、踏切の拡幅については道路管理者が必要性を見極め、道路事業として実施するものと考えている。 仮に拡幅するということになれば必要な協力はしていきたいと考えている。 明石市 踏切については、市としても駅周辺の重要な生活道路であると認識している。また、藤江小学校の通学路にも指定されていることから、踏切拡幅の要望があることも共有している。 一方で、市内の他の踏切についても多くの要望を受けており、実現可能性についてスケジュールや経済面、優先順位等を考慮しつつ内部で調整を進めていきたい。 また、山陽電鉄と継続的に協議を進めていくことは重要と認識しているため、今後も欠かさずに進めていきたい。 会長 踏切の件について、先般奈良県で視覚障害者が踏切で亡くなる痛ましい事故があった。 以前から問題となっていたことではあるが、これを受けて、踏切について国でも検討会を作り、ガイドラインで考え方を整理し、結論が出たところ。 しかし、こういった問題は、例えば雪の多い場所、観光客の多い場所等で、特に道路の幅員や歩道との関係等により、その場所によって条件が変わってくるため、事故が起こらない基準を一般化することは非常に難しい。 つまり、国がガイドラインを作っているがこのガイドラインだけで100%問題ないということはないので、明石市、山陽電鉄、障害当事者等の関係者と協議をして作っていっていただきたい。 次に県道についてはどうか。 委員 普段からパトロールを行い、車道から確認しているところであったが、まちあるきの中で住民目線での課題がいくつも出てきたため、今回の基本構想において具体化して、順次取り組んでいきたいと考えている。 また、課題の中で歩道が狭いなどの根本的な課題も出てきているが、これらに関しては、明石市とも課題を共有している。今回の藤江校区も、兵庫県が作成しているインフラ整備プログラムにおいて候補に入っており、事業化に向けて順次取りかかっている。 抜本的な対策とまちあるきで気づいた課題は分けて取り組んでいきたいと考えており、次回の協議会では具体的に取り組めること等について回答できればと考えている。 会長 兵庫県として、歩道を重点的な課題として認識しているということか。 委員 この県道は、明石高砂線という明石を東西に貫く主要な道路であり、兵庫県としては主要な県道として歩行者目線だけではなく車道拡幅等も含めて課題を明石市と共有し、事業を進めていきたいと考えている。 会長 細かい部分になるが、県道の施策については、まちあるきでの課題と抜本的な事業を切り分けて進めていくというのはどういうことか。 委員 都市計画事業は非常に大きな事業であり、予算の制約や事業の順番待ちのようなこととなっている。 しかし、歩道の危険個所などの維持修繕に該当するものや段差の解消などは、都市計画事業と切り分けて進める方が早く進むのではないかと考えており、基本構想の特定事業で具体化していきたい。 明石市 明石市道に該当する、藤江駅南側に新しくできるバスロータリーについて説明いたします。 現在は、県道まで点字ブロックが敷設されておりませんが、藤江駅の南側に新しく改札ができることとなると、新しい人の流れができることが確実となる。 車道やたこバス、神姫バスと動線が重ならず、新しい動線を安心して歩けるような歩行ルートを整備できるよう事業を計画していきたい。 また、山陽電鉄が藤江駅の駅舎のバリアフリー化を進めるということで、明石市としてもできる限り道路空間を併せて整備したいと考えている。 委員 藤江駅の改修に関して、南開札を新設し、構内踏切を無くすとのことだが、その場合、駅舎内での北側と南側の接続はなくなってしまうのか。 山陽電鉄 構内踏切を無くすと、上りと下りのホームにはそれぞれの改札から入場する必要があり、改札内で各ホームを行き来することはできない形となる。 委員 そうであれば、駅西側の踏切を通ることとなるが、踏切が狭い等の問題があると思っているので、対策を考えていただきたいと思う。 山陽電鉄 駅構内でホームを行き来できることが一番良いことは重々理解している。 まず、構内踏切に関しては、電車に乗りたいがために踏切が閉まっているときの無謀横断が発生しており、実際に人身事故にも繋がった事例もあることから、廃止したいと考えている。 次に、その中で代替手段としては、跨線橋や地下道が考えられるが、コスト面において現在の計画と比べると、非常に大きな費用がかかることとなり、現実的ではなく、難しいと考えている。 委員 構内踏切の件は、住民も懸念しており、構内踏切の廃止は改悪ではないかとの意見もまちづくり協議会の方に届いていた。 しかし、山陽電鉄と構内踏切に関するビデオを確認したところ、非常に危険ということがわかったので、住民側としても構内踏切の存続は諦めたところ。 そうは言っても、藤江駅のバリアフリー化と構内踏切の廃止、西側の踏切の安全確保は、一体として考えていただかないと、住民側として納得できないという声があがっている。そこで、住民側が要望する代替案として、西側の踏切の歩行者の安全確保を徹底していただきたい。 委員 明石高砂線に関しては、何十年前にできた道路で多くの問題を抱えているが、通学路などとして利用されており、地元の住民も非常に危険だと感じている。 今後は、高齢化が進み、自由な動きができなくなる人が多くなっていく中で、道路と車と歩行者の関係を総合的に考えて、国や県や市などと言わず、有効な安全対策を進めてほしいというのが住民の願い。 委員 明石高砂線は、まちあるきで歩いた区間以外の部分も非常に危険な場所がある。命に関わることなので危険個所については、予算の都合などもあると思うが、直せる部分から直してもらいたい。  委員 明石高砂線については、昔から道がでこぼこであったり非常に狭かったりなど危険という意見が多く、一般的にはそう感じられているのが事実だと思う。 また、以前、私有地を道路としているということを聞いたことがあるが、事実関係はどうか。 明石市 稀に公道内民地という、何らかの要因で公図上において、私有地が道路となってしまっている場合がある。 その場合は、すみやかに買取や寄付いただくなどの対応を心掛けている。 委員 兵庫県においても同様の方針で対応を行っている。 委員 道路について、白線が見えにくい箇所があると聞いているので、維持管理についてもしっかり整備をしてもらいたい。 明石市 市道と県道に共通する課題と認識している。 気づいたことに関してそれぞれの管理者に連絡いただければ、現場を確認し対応していくので、協力いただければと思う。 会長 補足として、全県、全市の道路について目が行き届かないところも出てくるので、住民の方から通報することは行政側からもありがたいことだと聞くことが多い。 住民も道路の維持管理に協力していただければと思う。 委員 歩道について、傾斜がついていることが多い。原因として、道路と民家に高低差があることで、歩道にも傾斜がついてしまっていると考えられる。 歩道部分を平面にして民地から傾斜にするなどで、歩道を平らにすることはできないか。 明石市 今回のまちあるきでの明石高砂線において、歩道に傾斜がついていることが多かったと思う。市道においても、同様の課題が多いことも認識している。 昔の構造として、歩行者の安全性を考えて、車道が低く歩道が高い道となっていたが、現在は車道と歩道の高さを同じにする施工も行われている。 新しく作る道路や改修する道路については、路線全体の状況を考えたうえで、うまく使い分けながら可能な限りまっすぐな歩道の整備を心掛けたい。 委員 耳が聞こえないと、後ろから自転車等が来てもわからない。 特に明石高砂線は、歩道が広くないので、後ろから来た自転車に気づかずにすれ違う時はぶつかりそうになって怖い。 歩道の改修によってそういった問題も解決できればと思う。 明石市 原則として、自転車は軽車両のため車道を走ることとなっているが、これまでの整備では歩道を自転車が走るという形態が多々あった。 そこで、昨年度に明石市では計画を立て、自転車道や車道に自転車が走るスペースを作るような整備を少しずつ行っている。 また、交通ルールに関して啓発や教育も行っているので、市民の方にも協力をお願いしたい。 委員 藤江駅の改札が北側と南側に分かれ構内踏切が無くなった場合、南側の改札を利用する際は西側の踏切を利用することになると思うが、西側行きの電車が停車している場合には踏切が閉まったままになっていると思われる。 その場合、かなり余裕をもって駅に到着する必要があることになり、不便になると思うが、その辺りはどう考えているのか 山陽電鉄 ご指摘のとおり、不便になる方がいることは重々承知している。 一方で、南側に改札ができることで、南側に住んでいる方は踏切を利用せずに乗車できるようになることもあるので、どちらがいいかは難しいところではあるが、便利になる方もいると考えている。 委員 藤江駅周辺は生活道路であるが、突然その場所が観光地化する場合がある。 例えば、現在大河ドラマでは源氏物語の作者を題材としているが、市内にも源氏物語ゆかりの寺社があり、今年の観光客が増加している。 藤江駅周辺が突然観光地化することも考えられ、その場合に住民の方が安全に生活できるような道路であれば、観光協会においても、自信をもってPRをすることができるので、観光の目線からも、安全な道路の整備が必要だと思っている。 委員 樽屋町は、歩道も広く車いすも通れるバリアフリーな道だと認識している。今日藤江駅周辺の写真を見て、まだこのような道があるのかと感じた。 委員 藤江駅前では、令和3年から「オアシス」という集い場事業を行っており、地域の方が年間7,200人ほど利用して、大変喜ばれている事業となっている。 今回の藤江駅の改修では、駅舎の一部が取り壊しになっており、改修後に再度集い場事業ができるのか懸念している。地域の住民からは、再度事業をして欲しいとの声が多くあがっているので、検討してほしい。 また、その検討の際は、明石市と山陽電鉄だけで行うのではなく、住民にも発言の機会を与えてもらいたいと考えている。 山陽電鉄 藤江駅の工事において支障があるため、オアシスが利用している建物を取り壊すことは決まっている。 その後、存続したいという要望については以前から聞いており、社内でも共有している。 今この場で返答はできないが、この意見についても持ち帰って引き続き検討していく。 会長 オアシスのような駅舎の一部を住民のコミュニティ活動として有効に活用されている事業は、私の知る限りでは、関西で他に行われていない。 委員 オアシスの話を聞いて思い出した事例があるので紹介する。 イタリアの北部に調査に行く機会があり、ロヴェレートというまちの駅前がまさしく同じように駅舎の一部を利用し、特に障害がある方などの多様な市民の憩いの場として活用している。 この取組は、EUの先進プロジェクトとして位置付けられて行われていると聞いている。 藤江駅のオアシスは、世界的に見てもとてもユニークで大事な取組になっていくと思う。 山陽電鉄だけで建替えなどが難しい場合は明石市や、場合によっては兵庫県、国のプロジェクトとして位置付けてでも続けていく方がいいのではないかと思う。 ◎議事(3)情報共有及び意見交換 〇事務局より、以下について説明。 ・JR明石駅・山陽電鉄山陽明石駅周辺地区のまちあるきについて ・明石インクルーシブビーチについて ・車いす利用者のためのバス乗車体験会について 会長 インクルーシブビーチについては、画期的で意欲的な取組なので、1回で終わらせずに今後も続けてもらいたいと思う。 バス乗車体験会のように、実際に体験を共有することは非常に大事。机上で議論するだけでは半分も理解できない。ぜひ、継続できればと思う。 委員 現在、バリアフリー法の今後の目標値などを設定する会議に参加している。 その中では、基本構想の策定率や鉄道駅の整備率などの数値の目標値の話が多くなるが、私は数だけではなく、基本構想等を策定するプロセスの質や策定後の継続性を評価するべきという趣旨の発言をしている。 背景としては、明石市のこの協議会そのもので、障害当事者の委員や市民の方が課題を挙げ、自治体や事業者が真摯に受け止めて、難しいことは難しいと言いつつも、解決するプロセスを一緒にやっていることに価値があると思うし、他の地域にも真似てほしいところだと改めて感じている。 先ほど、秋には明石のまちあるきを行うとのことだったので、できるだけ多様な市民の方が参加し、みんなでチェックしてよりよい明石のまちづくりがさらに進めばよいと思う。 また、バス乗車体験会等は、これまで明石市が様々な形で取組を行っているからこそできたことではないかと思っている。 私自身も今後発信する機会があれば明石自慢をさせていただきながら、一緒にユニバーサルデザインのまちづくりを進めていきたい。 4.副会長総括 副会長 明石市は全国に先駆けてマスタープランを作成し、そのうえで基本構想をひとつひとつ作成している。 藤江駅周辺地区は、地元要望・住民提案のような形で進んでいるのが、住民参画を重視しており、明石らしいと感じている。 私自身がまちあるきに参加して気づいたことも踏まえて、総括としたい。 藤江駅に関して、券売機やインターホンについて、足元のクリアランスが確保されておらず、ほとんど使えない。この点は駅の構造の問題であるので、クリアランスを確保していただきたい。 歩道部分に関して、私も久しぶりに通るような道だった。横断幅員が取られておらず、常に車道側に流されていくと感じた。車道は大型トラックが頻繁に通っており、車道に流された場合は命に関わると感じており、仮に雨が降っていたら命がけのまちあるきになったのではないかというのが正直な感想。 段差に関して、一部大きな段差が残っていることが確認できた。全体的にもう少しセミフラットにするなど、早急に解消していただきたい。 また、特に解決に時間がかかることは、協議会で課題として共有していくことが重要なこと。 今日の議論を踏まえて、基本構想と特定事業を策定していただきたい。 以上