ホーム > 市政情報 > 各課室別案内 > 政策局 > 政策局 SDGs共創室 > 政策局 企画・調整課 > 施政方針・所信表明
ここから本文です。
更新日:2024年2月20日
市政運営の基本姿勢やまちづくりの取り組み方針などについて述べた施政方針・所信表明をご覧いただけます。
令和6年3月定例市議会の開会に当たり、令和6年度予算案並びに関連諸議案のご審議をお願いするに際しまして、市政運営に臨む所信を明らかにし、議員各位、市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと思います。
はじめに、本年1月1日に発生した能登半島地震で亡くなられた方々に、深く哀悼の意を表し、被災された方々、今なお避難生活を余儀なくされておられる方々に、心よりお見舞いを申し上げます。本市としましても兵庫県南部地震を経験した自治体として、職員の派遣をはじめ復興支援に協力するとともに、1日も早い復旧、復興を心からお祈りしております。
私が、市民の皆様から負託を受けたこの10か月間は、所信表明で申し上げましたとおり、市民と共に市民目線のまちづくりを進めていくとの決意のもと、タウンミーティングや市長へのお便りをはじめ、様々な機会を通じて、市長自ら直接市民の生の声を聞くことを大切にして、市民と一緒に明石のまちを創っていきたいとの思いで市政運営に取り組んでまいりました。
この間、市議会の皆様には、市政運営に当たり、多大なるご尽力をいただいておりますことに深く敬意を表するとともに、多くのご支援をいただいておりますことに、厚く御礼申し上げます。
全国的に少子高齢化、人口減少が進行しているなか、明石市では、「こどもを核としたまちづくり」「誰にもやさしいまちづくり」を重点的に推進してきたことで、子育てしやすいまち、住みやすいまちとして評価され、子育て世代を中心に転入超過により、11年連続で人口が増加しています。今後、少子高齢化の更なる進展が見込まれることから、市民の暮らしの質と安心、まちの魅力をより一層高め、持続可能なまちにしていくことが求められています。
また、現下の市民生活や地域経済は世界情勢や物価の高騰などに大きな影響を受けており、市民に最も身近な基礎自治体として必要な支援を適時に実施していく責務があります。
さらに、本市の財政状況は堅調に推移しておりますが、今後は、高齢化などに伴う社会保障関連経費の増加や、老朽化した公共施設、インフラ施設への対応等で多額の負担が見込まれます。今後も財政の持続可能性をしっかりと確保していくために、財政状況の更なる見える化を図り、市民目線での選択と集中に努め、市民に寄り添った施策を着実に展開していく必要があります。
明石市は、あかしSDGs推進計画(明石市第6次長期総合計画)において、目指すまちの姿を「SDGs未来安心都市・明石~いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで~」と定め、将来にわたり誰もが安心して住みたい、住み続けたいと思うまちの実現を目指しています。
様々な課題に真摯に向き合い、SDGsの理念である「持続可能」「誰一人取り残さない」「パートナーシップ」を基軸に、経済・社会・環境の三側面のバランスのとれた重点的かつ効率的な取組により、将来にわたり、明石に暮らしてよかったと思えるまちづくりを市民とともに進めてまいります。
そこで、2024年度のまちづくりの基本方針を「対話と共創」とし、これまでと同様、多様な市民の生の声を幅広くお聞きするとともに、市民との情報共有を図りながら、対話を通して、明石のまちづくりを市民とともにさらに前に進めてまいります。本年を『共創元年』と位置づけ、予算案を「SDGs未来安心予算・市民とつながり、共に創る、明石の未来」として編成いたしました。
「共創」は「コ・クリエイション」、すなわち、多様な立場の人々が、対話を通して新たな価値を共に創造していくという意味です。国のSDGs実施指針でも、地方自治体の役割として、「官民連携による地域課題の解決を一層推進」することが期待されており、明石市においても、市民との「対話」を通じて、多様化、複雑化している市民ニーズや地域課題を把握し、企業や大学、国や県、他の自治体、地域など産学官民の多様な主体との「共創」により、市民ニーズに沿った課題解決に向け、市民目線による実践的な取組を展開することで、誰一人取り残さない「SDGs未来安心都市・明石」をみんなで連携して創ってまいります。
そのため、多様な市民との対話を通して地域課題を明らかにするタウンミーティングを、引き続き毎月開催するとともに、新たに市民や職員を対象としたファシリテーターを養成し、市民との対話によるまちづくりを推進してまいります。
「産官学との共創」では、市民との対話を通して明らかになった高齢者や障害者をはじめとする市民の日常生活における移動支援、地域における居場所づくりをはじめ、様々な地域課題、行政課題について、産業界や公的機関、教育・研究機関などと共創し、民間提案制度なども活用するなど課題解決に向けて取組を進めてまいります。
さらに、本市の財政状況や財政運営の課題を見える化し、市民と共有し、持続可能な市民サービスのあり方を共に考えていけるよう「(仮称)みんなでつくる財政白書」の策定に取り組んでまいります。
次に、さきほど申し上げました「対話と共創」の基本方針の下、5つの施策展開の柱を掲げ、重点的な取組を進めてまいります。
1つ目は、「安全・安心のまちづくり」です。
地震や台風をはじめとする自然災害への対応やインフラの計画的な整備など、市民の安全・安心な暮らしを確保するため、ソフト・ハードの両面から取組を推進します。
まずは、「多様な視点での避難所の充実」として、災害時に高齢者や障害者、女性、乳幼児等も安心して避難所で生活できるよう多様な視点から備蓄物資を整備するとともに、福祉避難所の拡充を進めます。要配慮者への声掛けや支援などを行うひなんサポーターの養成、災害リスクの高い沿岸部や河川流域を中心に、個々の要配慮者の避難方法などを定めた個別避難計画の作成にも、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
災害時の拠点ともなる「市役所新庁舎」につきましては、2027年度の供用開始に向け建設工事に着手し、「新中崎分署棟」につきましても、実施設計に着手してまいります。
「地域防犯」に関して、市管理施設等における防犯カメラを増設するとともに、自治会等が設置、更新する防犯カメラについて、費用助成を行います。過去最悪のペースで増加している特殊詐欺被害を防止するため、65歳以上の方がいる世帯に、新たに自動録音機能付電話機等の購入費用の助成を行います。
「計画的なインフラ整備」として、都市計画道路・山手環状線大窪工区と江井ヶ島松陰新田線の2路線について、2026年度の供用開始を目指し、用地買収や道路築造工事などに取り組んでまいります。また、踏切の安全対策として、南畑踏切については、エレベータ付横断歩道橋を本年秋頃の供用開始を目指して工事を進め、板額踏切については、踏切内の歩道整備に向け現況調査等を行ってまいります。鉄道駅のバリアフリー化につきましては、山陽電鉄藤江駅で、階段のスロープ化やバリアフリートイレの整備など、2026年度の供用開始を目指して取組を進めてまいります。
「市立市民病院」については、外部有識者による検討会議を立ち上げ、果たすべき役割や医療機能、病院施設の再整備の方向性等について、専門的な見地と多角的な視点から検討を進めてまいります。
「帯状疱疹ワクチン接種」につきましては、帯状疱疹の発症と重症化を予防するとともに、市民の負担軽減を図るため、新たに接種費用の一部を助成いたします。
2つ目は「こどもを核としたまちづくり」です。
「こどもまんなか社会」の実現に向け、明石独自の5つの無償化の継続に加えて、生きる力を育み、未来に夢が持てるよう多様な学びの保障や子育て環境の充実など、こども一人ひとりに寄り添うきめ細やかな取組を拡大していきます。
「産後ケア」につきまして、助産所や多胎児の受入れ等に関する委託料単価の増額を行い、家庭的な環境である助産所の開設と産婦の受入れを促進するほか、市民ニーズが高い「小児医療の充実化」につきましては、新たに小児科診療所の開設に係る助成制度を創設し、小児医療に関する医療提供体制の拡充に取り組んでまいります。
「病児・病後児保育」につきましては、市内3か所目となる施設の開設に取り組むとともに、オンラインによる予約システムを導入し、利用者の利便性の向上を図ってまいります。
「医療的ケア児への対応」として、新たに総合相談窓口を開設するほか、関係機関等による協議の場を設置するとともに、保育施設・小中特別支援学校に医療的ケア児のための看護師の配置を拡充し、切れ目のない支援体制を構築してサポートします。
「不登校児童・生徒への支援」では、学校内の多様な居場所の1つとなる校内フリースペースを、新たに市内7つの小学校に開設するほか、全中学校に設置している校内支援教室について、よりこどもたちが安心して過ごせる空間となるよう整備を進めます。また、各フリースペースには、専属の職員として(仮称)居場所サポーターを配置し、児童生徒の学校生活や学習のサポートを行います。さらに、学校、家庭以外の第三の居場所として、市内2か所目となる公設民営のこどもの居場所を開設するとともに、市内外のフリースクール等へ通うこどもに、新たに利用料の助成を行ってまいります。
「学校給食」では、食材価格の高騰による保護者の負担軽減を図るため、国の交付金を活用し食材価格上昇分を公費助成するほか、「(仮称)あかし地産地消の日」、「(仮称)有機給食の日」を設定し、地元産の食材や有機食材を活用した献立の提供を進めてまいります。
「民間プールを活用した水泳授業の試行実施」として、学校プール施設の老朽化などを踏まえ、効果的な水泳授業の実施のため、民間プールを活用した水泳授業を谷八木小学校において試行的に実施し、安全で効果的な水泳授業のあり方について検討してまいります。
「こども夢応援プロジェクト」は、物価高騰による市民生活の状況を鑑み、引き続き、定員を200名として、高校進学に向けた給付型奨学金の支給と学習・生活支援に取り組んでまいります。
また、こどもが主体的に、自由に遊ぶことができる遊び場「プレーパーク」を、新たに石ケ谷公園などで実施します。今後、身近な公園でも実施できるよう拡大を目指し、検討を進めてまいります。
「ヤングケアラーへの支援」として、相談窓口の周知とともに、実態調査を進め、支援機関等とも連携しながら、本人と家族の負担軽減を図る取組を進めてまいります。
3つ目は「インクルーシブのまちづくり」です。
誰もが「ありのままの自分」でいられ、支え合いながら安心して暮らせるやさしい共生社会の実現に向けて、全国初のインクルーシブ条例などに基づき、高齢者、障害者をはじめ、すべての人にやさしい取組をみんなで推進してまいります。
「高齢者等のフレイル対策」につきましては、ふれあいの里や地域においてフレイルチェック会を開催するとともに、フレイルサポーターの養成や個別相談など継続的に取り組むことで、フレイル予防への意識と行動の変容につなげてまいります。
「認知症あんしんプロジェクト」については、オレンジサポーター制度の推進とともに、新たに認知症基本法に基づく「認知症の日」及び「認知症月間」における市民への普及啓発イベントを実施するなど、認知症施策をさらに推進してまいります。
また、「地域見守りあんしんプロジェクト」など、きめ細やかな取組を行い、引き続き、高齢者が安心して住み続けることができる地域社会づくりを推進してまいります。
「福祉人材の育成及び確保の取組」として、市内の福祉事業所等で働く職員や法人を対象に、研修等の受講に関する費用助成を拡充するほか、新たに資格の更新を行った介護支援専門員に給付金を支給するとともに、市独自で実施しているサービス管理責任者研修を拡充し、実践研修を実施します。また、本年4月に明石商業高等学校において福祉科を開設し、福祉に関する専門的知識と技術を習得したインクルーシブな社会を担う福祉人材の育成に取り組んでまいります。
「福祉施設の整備と運営に関する支援」として、引き続き、認知症高齢者や障害者のグループホーム等の施設整備を促進するほか、物価高騰により経営が厳しい社会福祉施設事業者の負担軽減を図るため、国の交付金を活用し、支援金を支給します。
「ひきこもり相談支援」については、新たに仮想空間であるメタバースの活用を含め、居場所づくりに取り組む民間団体を支援するとともに、家族相談や家族教室の開催を拡充するなど、当事者の社会参加の一歩となる居場所支援や家族支援の強化を図ってまいります。
「ジェンダー平等の実現に向けた取組」につきましては、ジェンダー教育推進校の指定のほか、市民や地域、企業等を対象とした研修や出前講座の拡充を図るとともに、生理用品の配付や相談対応を行う「きんもくせいプロジェクト」について配付窓口の拡充に取り組んでまいります。
「DV被害等困難な問題を抱える女性への支援」として、専用相談窓口を設置するほか、自立生活の安定を図るステップハウスを試行するなど支援の充実化に取り組んでまいります。
「LGBTQ+/SOGIE施策」につきましては、引き続き、LGBTQ+当事者に寄り添った支援を行うとともに、学校との連携を強化し、小中学校の児童生徒への出前講座を拡充するなど、市民理解の促進に取り組んでまいります。
4つ目は「豊かな自然を生かした循環型のまちづくり」です。
「気候非常事態宣言」に基づく脱炭素の加速化や「ゼロ・ウェイストあかし」に向けた資源循環やごみ減量、豊かな自然環境を次世代につなぐための取組など、循環型のまちづくりに取り組んでまいります。
「脱炭素化に向けた取組」として、住宅と事業所向けに行ってきた太陽光発電設備等への補助に加え、新たに事業者向けの取組として、電気自動車の充電設備の導入補助や既存建築物のZEB化に向けた補助を創設します。また、新たに企業版ふるさと納税を活用して、公用車に電気自動車を導入するほか、公共施設での太陽光発電設備の設置について、2030年までに設置可能な施設の半数で合計1メガワット以上の導入を目指し、取り組んでまいります。
「ごみの減量・再資源化の取組」では、本年1月に本庁舎に設置した紙類のリサイクルボックス「Taco箱」の明石クリーンセンターへの増設や、新たに給食の調理くず・食べ残しを処理し、たい肥化する生ごみ処理機の試験導入のほか、家庭用生ごみ処理機の購入者に対する助成を実施するなど、「ゼロ・ウェイストあかし」を合言葉にこれまで以上に市民や事業者の皆様と共に取組を強化、推進してまいります。
「新ごみ処理施設」は、2030年度の供用開始を目指し、更なるごみの減量化や環境省が示す取組を進めることで規模の縮小化を図り、経済性・効率性を考慮した施設の整備、運営に向けた取組を進めてまいります。
「豊かな海づくり」については、引き続き、市民や漁業者、国や県などと連携しながら、施肥やたこつぼの投入をはじめ下水処理場での栄養塩管理運転に取り組むとともに、新たにマダコ種苗の量産技術に関する支援やアマモ場の造成に取り組む団体への活動助成を行うなど、豊かな海の再生に向けて取り組んでまいります。
「生物多様性保全の取組」として、「生物多様性あかし戦略」の改定を進め、市民環境教育リーダーの育成に取り組むほか、神戸市との生物多様性に関する協定に基づく取組や、生態系の保全や特定外来生物対策などを進めてまいります。
5つ目は「賑わいのあるまちづくり」です。
まちの持続可能な発展を目指し、地域産業の更なる振興や地域の活力と交流を生み出す「本のまち明石」の推進、新たな地域交流拠点の整備など、まちの元気や魅力の創出に取り組んでまいります。
「図書館機能の整備に向けた取組」を西明石、大久保、二見地区で進めるほか、明石市立図書館では、利用ニーズの高い図書館内の学習可能な座席について、館外から予約ができるシステムの導入を行います。
「西明石地区」では引き続き、駅前広場について、2026年の供用開始に向けて設計に取り組むとともに、アクセス道路の用地取得及び設計に取り組んでまいります。また、サンライフ明石をリニューアルして整備する地域交流拠点の実施設計と工事に着手してまいります。
「JT跡地など大久保駅周辺の市有地」については、ワークショップやアンケートでのご意見を踏まえ、利活用に関する全体構想を策定してまいります。
「中小企業に係る創業支援」として、新たに新商品の開発に係る施設や機器、販売促進に関する費用の助成を行うほか、コミュニティサイトを活用したオンライン交流によりビジネスチャンスが創出されるようビジネスマッチングを促進してまいります。
「農業経営への支援」については、高齢化や担い手の減少が見込まれる中、持続性の高い農業の実現に向け、経営の維持発展への支援とともに、新規就農者、経営継承への支援などを行ってまいります。
「林崎漁港」では、漁業者、地域住民、市民団体等と連携して、漁港と周辺地域の生活環境の向上に取り組んでまいります。
「製造業等の工場緑地面積率」は、市内全域において、兵庫県の環境の保全と創造に関する条例の対象となる工場について、本年4月に緩和するとともに、二見人工島については、工場立地法対象工場を含め、隣接する播磨町と同じ基準となるよう取り組んでまいります。同時に、工場緑化等のガイドラインの策定や緑化に係る補助制度の創設など、企業価値と工場周辺地域の生活環境を高める取組を推進してまいります。
「老朽化が進む公設卸売市場」について、市場を取り巻く現状と課題の整理を行うとともに、将来像、あり方について検討してまいります。
「天文科学館」において、プラネタリウム誕生100周年を契機とする様々な取組の実施や展示等の整備を行うなど、時のまち明石を全国・全世界に発信してまいります。
「明石公園内の旧市立図書館跡地の利用」については、県との連携を密にしながら、検討を進めてまいります。
次に、これまで述べた取組を効率的・効果的に推進するための行政経営分野における取組です。
まず、新年度の主な組織改正ですが、政府が取りまとめた「SDGsアクションプラン2023」では、「経済・社会・環境の大変革であるGX(グリーントランスフォーメーション)の推進」「持続可能な生産・消費の促進」などが掲げられています。現代社会、経済は地球環境という大きな土台に支えられて成り立っており、環境への適切な投資や取組が、商工業、農水産業などあらゆる産業活動の価値を高め、それが地域経済、社会の持続的な発展へとつながります。そこで、本市においても、地域の活性化、地域産業の更なる振興に加えて、脱炭素化やゼロ・ウェイストあかしの加速化など、経済と環境をより一体的、包括的に推進することで、SDGsの達成にも資するため、環境政策と産業政策をあわせて所管する「環境産業局」を新設し、「市民生活局」に設置している「環境室」と「産業振興室」を移管します。なお、「産業振興室」については、体制強化を図るため、現在の2課体制から「商工政策課」、「農業振興課」、「豊かな海づくり課」の3課体制とします。
政策局においては、行政情報やまちの魅力をより一層効果的な手法で発信し、市民をはじめ様々な主体と共にまちづくりを推進するため、「シティセールス推進室」の名称を「広報プロモーション室」に変更します。
SDGsや対話と共創による施策、市の重点プロジェクトを一層推進するため、「企画・調整室」を「SDGs共創室」と「プロジェクト推進室」に再編します。「SDGs共創室」には、総合計画の推進や重要施策の企画調整などを行う「企画・調整課」と、企業、大学などと様々な連携を図る「産官学共創課」を新設します。「プロジェクト推進室」には、西明石や大久保駅周辺などにおける開発事業や新庁舎の整備などを行う「プロジェクト担当」と、地域交流拠点の整備に際し図書館機能の導入を推進するため、「本のまち担当」を設置し、本のまち明石の推進に関する事務をシティセールス推進室から移管します。
LGBTQ+/SOGIE、ジェンダー平等、男女共同参画に関する施策を一体的に推進するため、「インクルーシブ推進室」と市民生活局の「男女共同参画課」を統合し、新たに市民生活局内に「インクルーシブ推進課」を設置します。
このほか所要の組織改正を行い、効率的・効果的な組織運営を目指します。
上下水道事業は安定的、効率的な事業運営と災害発生時の危機管理体制の強化等を図るため、2025年度からの上下水道組織の統合に向けて取組を進めます。
また、デジタル技術を活用し、市民の利便性の向上とともに、必要とする人に、より早く必要なサービスを提供できるよう、行政手続のオンライン化を一層進めるほか、あかし総合窓口において証明書発行に係る手数料のキャッシュレス決済を導入するなど「市民にやさしいインクルーシブなDX」を推進してまいります。
以上の方針に沿って編成いたしました令和6年度の予算総額は、
一般会計 1,262億7,855万4,000円
特別会計 698億9,754万9,000円
企業会計 262億 859万4,000円
合計 2,223億8,469万7,000円 としており、
福祉関係経費の増加のため7年連続で過去最大規模となっていますが、財政基金など3基金の取り崩し額は、昨年度より16億円減らし過去7年で最少としています。これにより令和6年度末の3基金残高についても、100億円を上回る見通しです。
改めてお伝えいたしますが、本年を明石市における「共創元年」として、市民との対話を通して、次世代につながる明石のまちを市民と共に創る「対話」と「共創」のまちづくりを議会の皆様と共に進めてまいります。
この「対話」と「共創」による取組が様々な分野で展開されていくことで、市民ニーズに沿った新たな価値の創造や地域課題の解決につながり、これまで以上に暮らしやすい、もっとやさしい明石のまちになると考えております。
これからも、すべての市民が、いつまでも、安心して暮らし続けることができる「SDGs未来安心都市・明石」の実現に向けて、誠心誠意取り組んでまいりますので、皆様におかれましては、引き続きお力添え賜りますよう心よりお願い申し上げます。
令和5年第2回定例会6月議会の開会に当たり、議案の提案に先立ち、市政運営に関して市長として所信の一端を申し上げます。
はじめに、議員各位におかれましては、明石市民のため、明石のまちのため、常日頃からご尽力されておられますこと、深く敬意を表します。
私は、先ごろ行われた市長選挙の結果、5月1日から、第十五代明石市長として、市政執行を担うこととなりました。市民の皆さまからの期待にしっかりお応えできるよう、これまでのまちづくりを受け継ぎ、私たちの明石をより良くしていきたいとの決意を胸に、市民に選ばれたみんなの市長としての責務を果たすべく、市民目線での市政運営を進めていく所存です。
私はこれまでも市議会議員として、つらい思いを抱える方、声をあげられない方などの思いを丁寧にお聞きしながら、市民に寄り添う姿勢で明石のまちづくりに真摯に携わってまいりました。
これからも市民目線を大切に、市民のためのまちづくりを市民とともに進めてまいりたいとの思いです。
議員各位におかれましては、ご理解とお力添えを賜りますよう心よりお願い申し上げます。
明石市では、「こどもを核としたまちづくり」、「誰一人取り残さないまちづくり」を基本理念として市政運営が進められてきたことにより、まちには好循環が生まれ、市民の暮らしに安心が広がりました。
市民目線のまちづくりの継承を望む多くの市民の強い思いを受け、SDGsの理念に基づき、「いつまでも すべての人に やさしいまちを みんなで」をキーワードに「SDGs未来安心都市・明石」の実現を目指して、これまでのまちづくりをしっかり継承し、発展させてまいります。そのため市政運営において、次の3つの視点を大切に、取組を進めていく所存です。
一つ目は、「誰一人取り残さない」です。
明石市では、年齢・性別・障害の有無・国籍などに関わらず、誰もが住み慣れた地域で自分らしく、安心して暮らし続けることができるインクルーシブなまちづくりを重点的に進めてきましたが、支援がまだ十分に行き届いていない方々もおられます。
私たちの明石が、もっと一人ひとりに寄り添うやさしいまちになるよう、市民の声を丁寧にお聞きしながら、きめ細やかな取組を進めてまいります。
二つ目は、「持続可能な明石のまちづくり」です。
世界では、災害や感染症に強靭な社会・経済に変えていくこと、単にコロナ以前の状態に戻すのではなく、持続可能な地球環境にしていくことが重要視されています。
地球環境という大きな土台に支えられて、私たちの現代社会、経済は成り立っています。今まさに、脱炭素社会へのシフトチェンジや生態系・生物多様性の保全、すなわちグリーンリカバリーというSDGsの考えに基づいた行動が求められています。明石市でも、脱炭素社会への取組の充実や身近な自然、いのちを次世代に引き継ぐ共生の地域づくり、循環型のまちづくりにしっかりと取り組んでまいります。
三つ目は、「市民とともに創るみんなのまち明石」です。
私がまちづくりを進める上で、最も大切にしているのが市民目線です。まずは、一人ひとりの市民の声を丁寧にお聞きする。その上で、必要な情報を市民と共有し、しっかり対話をしてともに考える。この積み重ねが、まちづくりには大切であると認識しています。
市民と力を合わせて、ともにまちを創っていく。そうした風土や文化を、様々な分野において醸成してまいりたいと考えています。もはや何事も行政だけで進めていく時代ではありません。市民とともに、市民目線でまちづくりを進めることで、互いに支え合う地域社会をつくり、明石のまちへの愛着を育んでいくことにもつなげてまいります。
これらの方針のもと、先の市長選挙の公約にも掲げた8つの項目につきまして、それぞれ重点施策を展開してまいりたいと考えています。
一つ目は「こども」です。まずは、こども医療費、給食費、保育料などの「明石市独自の5つの無料化」をはじめとする、これまでのこども・子育て支援をしっかりと継承し、着実に実施してまいります。さらに、新たに実施する高校生世代への市独自の児童手当の支給に加え、フリースクールをはじめ、こどもたちが安心して過ごせる居場所の拡充や児童生徒への支援の充実、生きる力を育む主体的・対話的で深い学びの推進、こどもの育ちと多様な学びを支える教育環境の改善などにも取り組んでまいります。
二つ目は「高齢者」です。住み慣れた地域で誰もが安心して暮らし続けることができるよう、たこバス無料化を継続するとともに、ひとり暮らしや支援が必要な方への見守りを拡充してまいります。また、高年クラブへの助成や高齢者のフレイル予防活動に対する支援を拡充するなど、高齢者の地域活動についてもしっかりと支援してまいります。
三つ目は「障害者」です。社会にある障壁を解消していくため、障害者配慮条例などに基づき、障害のある人が安心して暮らせる地域づくりをまちのみんなで推進してまいります。合理的配慮を提供するための環境整備や助成制度を拡充するとともに、やさしい社会に向け、インクルーシブ教育も推進してまいります。
さらに「高齢者」「障害者」など、福祉分野における総合的な人材の育成を行うとともに、グループホームなどの介護施設や障害者施設につきましても整備を促進してまいります。
四つ目は「すべての人」です。生きづらさに悩んでいる方や、世間からは見えづらく懸命に生活をつなぐ若者、支援が十分に足りていない方々など、幅広い方への支援を充実してまいります。ジェンダー平等の社会に向けた取組やLGBTQ+施策の推進、犯罪被害者支援・更生支援の拡充に加え、ひきこもり相談支援の充実、DV対策、自殺対策に向けた取組、さらにはヤングケアラーへの支援、買い物難民を含めた交通不便地域の対策にも取り組んでまいります。
五つ目は「本のまち」です。これまで進めてきた「本のまちづくり」を引き継ぎ、誰もが本に親しみ、読書を楽しむことができるよう一層の環境整備を進めてまいります。読書バリアフリーの拡充とともに、図書館の新設につきまして、引き続き、西明石、大久保、二見の3地区での整備に向けた取組を進めてまいります。
六つ目は「環境」です。明石市は、令和2年3月に「気候非常事態宣言」を表明しています。個人や企業、市役所における再生可能エネルギー活用の促進や市民参画でのごみ減量化など、脱炭素社会と循環型社会への取組をしっかりと推進してまいります。また、明石の豊かで貴重な自然環境を守り、育て、次世代へしっかりと繋いでいくため、豊かな海づくりに向けた取組に加え、里地、里山、里海の保護・保全、環境学習の推進などにも取り組んでまいります。
七つ目は「経済」です。物価高騰に直面している市民の暮らしを守るとともに、市内で働く市民や事業者による地域経済活動を支え、活性化するため、喫緊の経済対策、市民生活支援策として「市民全員サポート券の発行」を進めてまいります。また、明石駅周辺における回遊性の向上や、食の安全にもつながる持続性の高い農業、漁業への支援などにも取り組んでまいります。
八つ目は「市民」です。市民目線の市政運営を継続し、市民とともにまちづくりを進めていくに当たり、地域活動や市民活動への支援を拡充してまいります。
また、市民の命と暮らしを守るため、災害時に支援を必要とする要配慮者が安心して避難できるよう個別避難計画の策定を一層推進するなど災害対策にも取り組んでまいります。加えて、市民の利便性の向上につながるデジタル化の推進を着実に進めてまいります。
こうした8項目の重点施策をはじめ、各施策の推進に当たり、多様な市民の声を丁寧に聞くため、市長へのおたより「聞かせてみんなの声、まるちゃんポスト」を市内12カ所に設置いたしました。既に300件以上のお便りが届いており、1件1件すべてに目を通して、対応できるものは速やかに実現を図っています。
加えて、新たに専門部署として、「市民とつながる課」を設置し、市民の対話の場であるタウンミーティング「語ろうつくろう みんなの明石・まるちゃんカフェ」を開始いたしました。第1回は、「障害のある人もない人も安心して暮らせるまちに向けて」をテーマに、障害のある方や支援者、学生などが参加し、車座での対話により多様な声が集まりました。第2回は「子育て」をテーマに今月末に開催するなど、引き続き毎月1回は、各分野のテーマや地域ごとなど、幅広く対話の場を設けたいと考えています。こうした取組を積み重ね、シビックプライドを高めることで、自分たちのまちを、市民自らが主体的に創っていくことにつなげてまいります。
さらに、職員との信頼関係を構築し、ボトムアップを意識して職員と一丸となって日本一やさしい市役所を目指し、これまで以上に積極的な情報公開や情報発信も行いたいと考えており、みんなで作る財政白書の作成など、予算編成過程における市民参画などにも取り組む所存です。
明石市内のすべてを鳥の目で俯瞰し、虫の目で市民に寄り添う、そんなみんなの市長でありたい。そして、今よりもっとやさしいまち明石を、市民とともに、みんなで創っていきたい。市政運営を担う責任者として、私たちの明石が、すべての人に「暮らしてよかったと思っていただけるまち」になるよう、明石市が掲げる「SDGs未来安心都市・明石」の実現に向け、着実に取組を進めていく決意です。
皆さまには、市民とともに創るまちづくりへのご協力を重ねてお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。
お問い合わせ