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更新日:2024年4月15日
水道事業は、水道利用者の皆様がお支払いいただいた水道料金で支えられています。ここでは、皆様にお支払いいただいている水道料金がどのようにして決まるのかについてご説明します。
水道事業は、「清浄にして豊富低廉な水の供給を図り、もって公衆衛生の向上と生活環境の改善とに寄与すること」を目的とする地方公営企業とされています。そしてその経営にあたっては、「常に企業の経済性を発揮するとともに、その本来の目的である公共の福祉を増進するように運営されなければならない」という基本原則にのっとっています。
この基本原則のもとで、①「企業の経済性を発揮して効率的な経営を追求すること」、そして②「水という生きるためにかけがえのないものを安定的にお届けすること」こそが水道事業の使命だと考えております。
経済性の発揮をうながす仕組みのひとつとして、法律では、企業運営に要する経費は「当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てなければならない」とされています。これは税金によらず、水道料金などによって経費をまかなう「独立採算制の原則」をいうものです。
民間企業は、一般的に商品やサービスを販売して収入を得ています。赤字が続くと経営が苦しくなり倒産ということがありますので、利益が出るよう日々努力しています。
地方公営企業である水道事業は利益の追求が目的ではありませんが、商品である水道水の料金で必要な経費をまかなわなければなりません。経営に困っても簡単に税金で穴うめすることができませんので、民間企業と同じように企業努力が必要なのです。
一方、「経費の負担の原則」として、企業運営に必要な経費のうち「その性格上当該地方公営企業の経営に伴う収入をもって充てることが適当でない経費」については、税金(市の一般会計のお金)でまかなうことされています。
例えば、消火栓の設置及び維持にかかる費用が、これにあたります。配水管には一定の間隔で消火栓が設置されていますが、これは消火活動(市として行うべき業務)を行うための設備ですので、その費用まで水道料金などでまかなうことは、適当ではないという考え方です。
また、「独立採算制の原則」と「経費の負担の原則」にも例外があり、災害復旧その他特別の理由がある場合には、一般会計(税金等)が公営企業に対して補助することができるとされています。現在、明石市水道事業では、ひとり暮らしの高齢者の方々への水道料金の減免措置分などにつき、補助を受けています。
なお、水道事業の収入に占める市一般会計からの負担金・補助金の割合は以下のようになっています。(より詳しい収入の内訳は「決算・予算の内容」をご覧ください。)
■水道事業収入のうち市一般会計からの負担金・補助金の割合(令和4年度決算値)
また、料金について法は、「公正妥当なものでなければならず、かつ、能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし、地方公営企業の健全な運営を確保することができるものでなければならない」としています。
水道事業は独立採算制ですので、事業運営に要する経費が料金収入でまかなえなければ事業は成り立ちません。料金の決定にあたっては、まず水道事業運営に要する総費用の見込みを立て、それをまかなえる料金水準を設定することになります。そして法に「能率的な経営の下における適正な原価を基礎とし」とあるように、総費用の見込みを立てるにあたっては、余計な経費はないか、より効率的な手法はないかをよく検討する必要があります。
同時に、水道料金は水道利用者の皆様に料金に見合ったサービスを受けていると納得していただけるものでなくてはなりません。このためには、サービスの向上はもちろんのこと、法の要請でもある「能率的な経営」を追求すること、そして水道利用者の皆様に水道事業全般についてより深くご理解いただけるよう、説明責任を果たしていくことが大切であると考えています。
ここでは、水道事業の基本的な性格、そして料金についての考え方を見てきました。この考え方に基づいて、具体的に水道料金を決めていくために、全国の水道事業体が加盟している公益法人「(社)日本水道協会」は「水道料金算定要領」を作成しており、明石市水道事業もこれに基づいて水道料金を決定しています。
具体的な手順については「料金算定の手順及び料金の使われ方」で詳しく説明しています。
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