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更新日:2024年4月10日
みなさまのもっとも身近な水道設備が「給水装置」です。なんだかなじみのない言葉ですが、じゃ口や宅内の水道管などはすべて「給水装置」と呼ばれています。「給水装置」を経由して、みなさまのお手元まで水をお届けする「給水方式」にもいくつかの方式があります。ここでは、ふだんは意識されることのないこの2つの言葉についてご紹介します。
道路に埋められている配水管(水道本管)から分岐して各家庭に引き込まれている水道管(給水管と呼びます。)と止水栓、水道メータ、じゃ口などの器具を総称して「給水装置」といいます。
給水装置は、修繕などの維持管理はお客様の責任と負担で行っていただくことになりますが、明石市では、配水管から水道メーターまでの間の漏水については、水道局が無償で修繕することとしています。ただし、給水装置の上に建物が建っていたり、高価な石張りが施されている場合など、修繕に多額の費用がかかる場合には、水道局の費用負担で修繕を行うことはできませんので、ご了承ください。
マンション・アパートなどの集合住宅では、通常、敷地内での水漏れを含めた一切の管理を建物の管理者が行っています。詳しくは、建物の管理者に確認してください。
「給水方式」とは、道路に埋められている配水管(水道本管)から給水装置を経由して、じゃ口で水をお届けするやり方のことです。同じ水をお届けするにも、低層住宅と高層ビルでは、同じ方法というわけにはいきません。それぞれの状況に合わせて、「直結直圧式給水」、「直結増圧式給水」、「貯水槽方式」という3つの方式から適切な方法を選択することになります。
「直結給水」とは、配水管と給水管を直接に接続して、じゃ口まで水をお届けする方式で、ポンプによる増圧を行わない「直結直圧式給水」と、ポンプによる増圧を行う「直結増圧式給水」があります。直結給水は、貯水槽方式に比べてポンプ設備の運転コスト(電力)がかからず、省エネルギーの観点で優れていますし、貯水槽方式のように定期的な設備の清掃も必要なく、衛生面でも有利です。このため、明石市では、直結給水の範囲を拡大しています。
■ 直結直圧式給水 ■
水は本来、高いところから低いところへ流れるものです。地中に埋めてある水道管(低いところ)から家の中にあるじゃ口(高いところ)まで水を運ぶには、水に圧力をかけて押してやる必要があります。道路に埋めてある配水管(水道本管)の中を流れている水には、市内のすみずみまで適切な給水ができるように、一定の圧力をかけてあります。
「直結直圧式給水」とは、配水管と給水管を直接連結し、配水管の中を流れている水の水圧でじゃ口まで給水する方式です。この方式の利点は、給水をするのに貯水槽や増圧ポンプといった特別な設備を設ける必要がないことがあげられます。このためポンプ設備の運転コスト(電力)がかかりませんし、災害などによる停電にも強みがあります。
しかし、配水管内の水圧で押し上げることのできる高さには限界があるため、一定以上の高さの建物の場合などは、この方式をとることができません。直結直圧式給水を採用することができる条件をまとめると以下のとおりです。
(1) 最高位置に設置する給水器具の高さが、配水管からおおむね10メートルまで(おおむね3階建てまで)であること。
(2) 水理計算上、直結直圧式給水が可能な建物であること。
(3) その他、給水装置工事施行基準を満たしていること。
■ 直結増圧式給水 ■
配水管内の水圧では10メートルを超える高い建物に水を押し上げることはできません。そのためには、ポンプによってさらに強い圧力をかけなければなりません。「直結増圧式給水」は配水管と給水管を直接連結して、その途中に増圧ポンプを設け、配水管内の水圧不足を補って給水する方式です。直結直圧式給水に比べればポンプ設備の運転コスト(電力)がかかりますが、時間帯による使用水量の増減に合わせて、増圧が必要なときだけポンプが稼動するしくみになっているので、常にポンプが稼動している貯水槽方式に比べれば、運転コスト(電力)はかかりません。
しかし、大量の給水を必要とする大規模なマンションやビルに直結増圧式給水を採用すると、増圧ポンプによってあまりに多くの水が配水管から直接引き込まれてしまうため、配水管内の水圧が低下し、周辺の給水に支障を来たす恐れがあります。このため、直結増圧式給水についても建物の規模などにより、採用できる条件を以下のとおり設けています。なお、この方式による場合は、水理計算による確認等を事前協議により行う必要がありますので、水道局給水係 (電話078-918-5067)までお問い合わせください。
【設置条件】
(1) 給水階が15階建て200戸までの建物であること。
(2) メータ口径75㎜以下の建物。
(3) 分岐可能口径は次のとおりとする。
配水管口径 | 分岐可能口径 |
200㎜ | 100㎜以下 |
150㎜ | 75㎜以下 |
100㎜ | 50㎜以下 |
75㎜ | 40㎜以下 |
(4) 給水管の流速が、2.0m/秒以下であること。
(5) 周囲の配水管に影響を及ぼす恐れのないこと。
(6) 給水装置工事施行基準を満たしていること。
直結増圧式給水で設置するポンプは、配水管内の水圧だけでは給水できない高層階まで給水するために設置するものです。配水管内の水圧は地域によって異なりますが、十分な水圧が確保されている地域では、4・5階建ての建物についてポンプを用いない「直結直圧式給水」での給水が条件付で可能です。
【4・5階建て直結直圧式給水の条件】
1 申込者が直結直圧式給水を選択し、増圧装置設置猶予申請書を提出すること。
2 配水本管の水圧が十分にあり、かつ、必要とする水量が確保できる地域であること。
(確認のため、近接地の本管水圧を72時間測定するので、「配水管水圧測定依頼書」を提出すること。)
3 申込者は、事前に増圧装置設置予定スペース(※1)を確保し、給水装置工事申込書の平面図に図示すること。
4 配水管の水圧変動、使用水量の変化等の事情により、水圧、水量の不足等給水上の支障が生じたとき又はその恐れがあるときは、直ちに設置予定スペースに増圧装置を設置すること。
5 申込者は増圧装置が設置されていないことにより、給水に支障が生じた場合であっても、異議や苦情の申し立てをしないこと。また、水道局所定の誓約書を提出すること。
(※1)
横幅 |
奥行 |
高さ |
1,500ミリメートル | 1,300ミリメートル | 2,000ミリメートル |
マンションなどの高層の建物には、各戸に給水するために貯水槽(受水タンク)や増圧ポンプが設置されています。
平成26年に、貯水槽、増圧ポンプの設置基準を変更しました。
結給水を行うことのできない大規模な建物の場合、配水管から引き込んだ水を、いったん建物内の貯水槽(受水タンク)にためてからポンプによって給水する方式をとります。これが「貯水槽方式」です。大規模な建物全体に安定して給水できるのが利点です。
貯水槽は、配水管や給水管のように常に水で満たされているわけではありませんので、清潔に保つためには定期的に清掃など適切な維持管理が欠かせません。このため、貯水槽施設の設置者(マンションなどの所有者、管理組合、管理会社等)が行うべき管理の基準が設けられています。
詳しくは、「貯水槽(受水タンク)の適正な管理について」をご覧ください。
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