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更新日:2024年2月21日
「赤」は、鉄の酸化物(鉄さび)のことが多く、配水管のさびや給水管のさびが原因と考えられます。水道工事による断水、消火活動、使用水量が急激に増えたり、水道管の中を流れる水の速さや方向がかわったときに、じゃ口から突然赤くにごった水が出ることがあります。これは、配水管の中の鉄さびが原因です。そのほか、家庭の給水管が鋼管などのさびやすい材質のもので、古くなると鉄が付着し、赤い水や出水不良の原因となります。この場合は、給水管の更新をする必要があります。鉄は、人体の必須元素であり、万一飲んでしまっても人体への吸収率は低く、健康に問題はないと思われます。通常はしばらく水を流すときれいになるので、その後、飲用にご使用下さい。
これは、水道工事などによって管の中にはいった空気が、無数のアワとなって水にまじっているためです。しばらくそのままにしておきますと、アワは消えてきれいな水になります。そのまま飲んでも問題ありません。
(1) 海の水が青く見えるのと同様の現象で、水が光の影響を受けているためです。風呂などのような大きな容器に水をためた場合、この現象で青く見えることがあります。特に青の補色であるアイボリー系の浴槽でよく見られる現象ですが、まったく問題はありません。
(2) 銅によっても青く着色したように見え、新品の給湯器を使用した場合、しばしば起こる現象です。濃度的に問題はなく、しばらく使用すればなくなっていきます。
「黒い異物」の原因で最も多いのが、じゃ口に使用されているゴムパッキンが劣化して剥れたことによるものです。劣化したパッキンは交換が必要です。すぐに交換できない場合は、しばらく水を流してきれいになってから使用するか、じゃ口にガーゼをあてるなどして異物をろ過して使用して下さい。
たわしなどで強くこすったり、急激に加熱したりするとアルマイト加工された表面の被覆がはがれ、アルミニウムが、水酸化アルミニウムという白いふわふわしたものになってしまいます。水を捨ててから、異物がないことを確認してからご使用下さい。アルミなべの被覆をはがさないように柔らかいもので洗うようにし、また、水分があると反応が促進されるので、使用後は水を捨てて乾燥させるようにして下さい。
白い物質は、水が蒸発したあとに残った「ミネラル成分」です。ミネラル成分は、水が蒸発したあと固形物として残る性質があるため、やかんなどの蒸発が繰り返される部分には白く付着していきます。ミネラルは人体に必要な栄養素であり、安全性に問題ありません。水をこまめにふき取る・水を沸かしすぎないようにすることで、付着をある程度防ぐことができます。もし白くなってしまった場合は、食酢やレモン汁などで洗浄すると取れやすくなります。
水に含まれるミネラル成分であるマグネシウムと、ガラスの成分であるケイ酸が反応してできたものです。このキラキラしたものはミネラル分なので体に害はありません。お湯を何度も注ぎ足して使用すると発生しやすくなるので、ガラス容器をこまめに洗うことをおすすめします。異物ができた場合は、10倍に薄めた食酢を容器に入れ、1時間程度放置させたあと、柔らかいブラシで洗うなどして、ガラス表面に付着した異物をとりのぞいて下さい。
空気中に浮遊している雑菌は、湿度等の条件が合ったとき繁殖して色を付けます。増殖する雑菌の種類によって生成する色素が違うので、ピンク色以外に紫色、黒色になることもあります。これらの雑菌は、水道水の消毒に使われている塩素濃度では死なない場合があるので、水洗いだけでは不十分の場合もあります。 熱湯又は漂白剤で消毒したり、換気をよくして湿度を減らすなどの日常の手入れが必要です。
これは屋内の配管から溶け出した銅が、浴槽やタオルに残っていた石けんの成分と反応し、青い「銅石けん」ができたためです。石けんの成分が残らないよう浴槽やタオルをよく洗って下さい。
【カルキ(塩素)臭い】
これは水の消毒に使用している塩素のにおいです。水道法では、「じゃ口における塩素濃度は、常に0.1mg/L以上でなければならない」と規定され、塩素による消毒が義務付けられています。塩素のにおいは衛生上安全であることの証しでもあるわけです。水中の塩素濃度は時間がたつとどんどん低下していきますので、浄水場ではじゃ口に届くまでに配水管の中で減少する分を見込んで、末端のじゃ口でも水道法の基準を下回らないように、且つあまり高くなりすぎないように、適正な量を注入するように努めています。(なお、平成16年度の水質基準の改正により、設けられた水質管理目標設定項目の残留塩素の目標値は、1mg/L以下となっています。)
※においを取り除くにはやかんの蓋を開けた状態で5分以上煮沸させると、ほぼにおいはなくなります。ただし、煮沸させると水中の塩素がなくなり雑菌が繁殖しやすくなっているので、お早めにご使用下さい。
【かび臭い、土臭い】
春から夏にかけて貯水池などで繁殖した藻類(植物性プランクトン)が原因となり、水道水がかび臭くなることがあります。また、渇水時など貯水池の水位が減少したときには土臭がつくこともあります。これらのにおいは人体への影響はなく、そのまま飲んでも問題ありません。万一、かび臭や土臭が発生するおそれのあるときには、活性炭処理などを行い、においの除去に努めています。
鉛製給水管を使用している場合でも、日常的に水道水を使用している場合は、鉛の溶け出す量は全く問題にならないレベルあり、安心してご使用下さい。ただし、朝一番や旅行等で長時間水道水を使用しない場合は、給水管内に滞留している水道水に微量の鉛分が溶け出す場合がありますので、バケツ1杯程度の水(水洗トイレを1回使用する量)を、飲用や調理以外にご使用いただくことをお願いします。
石綿管(石綿(アスベスト)繊維とセメントを原料とし,整形,養生した管)を通過した水道水の健康影響に関しては、厚生労働省より以下のとおり問題がないとの見解が示されています。
● 「水道管に使用されている石綿セメント管について(平成17年7月13日 都道府県水道行政担当者宛て 厚生労働大臣認可水道事業者、用水供給事業者担当者 宛て 事務連絡)」より抜粋
(1) 平成4年(1992年)に改正した水道水質基準の検討時にアスベスト(石綿)の毒性を評価したが、アスベストは呼吸器からの吸入に比べ経口摂取に伴う毒性はきわめて小さく、また、水道水中のアスベストの存在量は問題となるレベルにないことから、水質基準の設定を行わないとしたところ。
(2) 世界保健機関(WHO)が策定・公表している飲料水水質ガイドラインにおいても、飲料水中のアスベストについては、“健康影響の観点からガイドライン値を定める必要はないと結論できる。”としているところ
石綿管は、昭和7年から昭和60年まで生産され、安価であったため、上水道の拡張期には全国的に広く使用されていました。しかし、他の材質の管に比べて耐用年数が短く、老朽化したときの強度が低いため、漏水の大きな原因となることから、他の材質の管への布設替えが進められてきました。明石市では、昭和26年度から昭和40年度までに布設された水道管(配水管)の一部に石綿管が使われていましたが、昭和57年度以降、順次、布設替えを行っております。
●おいしい水について
水のおいしさは、水中のミネラル成分量などの水質条件、個人の味覚や健康状態、また、その時の気象状況などによっても左右されるといわれています。このうち、水質条件については、昭和60年に厚生省(現在の厚生労働省)が設置した「おいしい水の研究会」から「おいしい水の水質要件」というものが発表されています。これは、水道水のおいしさを知るためのひとつの目安となるものですが、水の味を良くする要素として「蒸発残留物」、「硬度」、「遊離炭酸」、水の味を損なう要素として「過マンガン酸カリウム消費量」、「臭気強度」、「残留塩素」、そして水をおいしく飲むための要素として「水温」が挙げられ、それぞれの項目において数値が設定されています。
●明石市の水道水の場合
残留塩素以外の項目でおいしい水の要件を満たしています。このことからも、明石市の水道水は、おおむねおいしい水ということができます。
項目 |
項目についての説明 |
おいしい水の要件 | 明石市の水道水(※) |
蒸発残留物 |
カルシウム、マグネシウム、鉄など水中に溶けている鉱物質。 |
30~200mg/L | 195 |
硬度 | カルシウムとマグネシウムの合計。 硬度が高いと硬く重い味、低いと淡白な味になる。 50mg/L前後が多くの人に好まれる。 |
10~100mg/L | 68 |
遊離炭酸 | 水中に溶けている炭酸ガス。 水に新鮮でさわやかな味を加えるが、あまり多いと刺激が強くなり、少ないと気の抜けた味になる。 |
3~30mg/L | 4.5 |
過マンガン酸カリウム消費量 | 水中の有機物量。 有機物が多いと渋味がある。 |
3mg/L以下 | 1.0 |
残留塩素 | 水中に残っている塩素。 カルキ臭の原因成分であるが、0.4mg/L以下では、臭気は感じられないと言われている。 |
0.4mg/L以下 | 0.5 |
臭気強度 | 水の臭いの程度を表す。 臭気が強いとまずく感じる。 |
3以下 | 1未満 |
水温 | 適度に冷えた水はおいしく感じる。 | 20℃以下 | 19.2 |
(※)市内末端給水栓の令和4年度年間平均値
●水道水をよりおいしく飲む方法
冷蔵庫などで10~15℃程度まで冷やすと清涼感が増します。また、レモン汁を数滴落とすことでカルキ臭をなくすこともできます。ちょっとした工夫を加えることで、水道水をさらにおいしく飲むことができます。
逆にカルシウム不足の方が、結石ができやすいのです。カルシウムを摂取し続けると結石がつくられるという意見がありましたが、それは昔の話です。腎臓や尿管にできる石は、飲食物からではなく骨から溶け出したカルシウムがいろんな食べ物に含まれているシュウ酸と結合してつくられます。骨からカルシウムが溶け出す原因ですが、食べ物から摂取するカルシウム量が不足すると、血中濃度を一定に保つため副甲状腺ホルモンが働き、骨から多くのカルシウムを溶け出させます。その結果、過剰のカルシウムが各種細胞に入り込み、シュウ酸と結合して結石をつくります。カルシウムを多く摂ることによって、骨からカルシウムの溶け出しをなくし、結石の予防ができるのです。また、カルシウムを必要以上に摂っても、骨というほとんど無限のカルシウム貯蔵庫があり、そこに蓄えられ骨を強くするだけで心配ありません。その上、腸でも余分なカルシウムは吸収しませんので摂りすぎの心配はありません。つまり、カルシウム分(硬度)が多いことで結石ができるということはありません。
なお、ご参考までに水質検査結果をお知らせいたしますと、硬度(カルシウム、マグネシウム分)の末端給水栓での測定値は、令和4年度で38~120mg/Lであり基準値の300mg/L以内の適正な値です。
市内浄水場の水道水から、放射性物質は検出されておりません。
文部科学省が、各都道府県の水道水の放射能についてモニタリング調査を行い、その結果をホームページに公表しておりますが、西日本では放射性ヨウ素、放射性セシウムは検出されていない状況です。このことから、明石市の水道水にも影響は無いものと考えておりますが、市民の皆さまに、より安心して水道水をお使いいただくように、念のため平成23年3月から定期的に、市内全浄水場(明石川浄水場・鳥羽浄水場・魚住浄水場)の水道水について、放射性物質(放射性ヨウ素(I-131)、放射性セシウム(Cs-134、Cs-137))の検査を行っております。その結果、いずれの水道水からも放射性物質は検出されておりませんので、安心してお使いください。
今後も、新たな検査結果、また水道水の飲用に関する状況変化があった場合などは、皆さんの安全・安心のために速やかに広報いたします。
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