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更新日:2024年9月18日
資料 高齢者インフルエンザ予防接種費用の無料化について(PDF:303KB)
令和5年度の一般会計決算について説明をさせていただきます。
令和5年度の決算収支ですが、歳入決算額が約1295億円で、前年度比2.1%の増加になります。それから、歳出の決算額は約1285億円で、こちらも前年度比2.1%の増加となりました。実質収支につきましては約7億円の黒字で、これは48年連続の黒字となります。また、年度を超えた収支の調整や財政基金の積立金などを加味した実質単年度収支は約3000万円の黒字で、これは2年ぶりの黒字となりました。
財政基金などの3基金は前年度末とほぼ増減なく、年度末残高は119億円となりました。令和5年度の当初予算編成時には物価高騰の影響や高校生世代への児童手当の拡充、国民健康保険への繰出金の増加などによって基金の取り崩しが40億円を超えて、例年の不用額を除いても20億円の取り崩しというのを見込んでおりましたが、市税収入の増加などにより、基金残高は前年度末から約1000万円だけですが増加をしています。
市債残高は前年度から25億円減少して1104億円となりました。
財政指標につきましては、財政構造の弾力性の指標となる経常収支比率は前年度から1.6ポイント下がって92.5%に改善をしています。そして実質公債費率は前年度から0.3ポイント上昇して4.3%、将来負担比率は前年度から0.5ポイント減少して21.5%となっています。
令和5年度の一般会計の決算についての概要は以上です。
市税収入は16億円増とのことですが、増加した要因はなんでしょうか。
市税収入の増加の要因は市民税の増加ですね。細かい数値としては法人市民税が6億7000万円、個人市民税が5億1000万円、固定資産税及び都市計画税が4億1000万円ということで、その分の増加が大きな要因となっています。
過去最大の463億円というのは、過去最大をずっと更新し続けているのですか。
2年連続過去最大を更新ということになります。
私としては、今回のこの令和5年度予算というのは前市長が立てられた予算で、基金取り崩しが40億円を超える、例年の不用額を除いても20億円の取り崩しを見込んでいた大変厳しい予算を引き継いだという認識でした。ある意味マイナスからのスタートだったので、市長としては何とかしなければと思っていたところです。それがわずかではありますが、約3000万円という黒字となりました。また、基金残高も前年度とほぼ同額ということで約1000万円増加していますので、そういう意味では少しほっとしています。
この9月議会に補正予算議案として、高齢者インフルエンザ予防接種費用の無料化に要する費用を提出させていただきました。新型コロナがいまだ終息せずに、これまでも年間を通して流行の波を繰り返しており、特に夏と冬にピークを迎える傾向がありますので、今年の冬もインフルエンザと新型コロナの同時流行が懸念されているところです。高齢者の方については、インフルエンザにかかった時も重症化するリスクが高いということから、明石市では新型コロナが流行し始めた令和2年度、2020年度から、高齢者インフルエンザ予防接種の一律無料化を昨年度まで継続して実施していまして、資料の3参考にも記載していますように、無料化を実施する前と比べて、毎年8000人から1万5000人ほど多くの方に予防接種を受けていただいています。
現在、県内の政令市や中核市で高齢者のインフルエンザ予防接種を無料化している市はないんですが、明石市としては高齢者の命を守り、安全・安心にお過ごしいただけるように今年度も引き続き無料化を行いたいと思いまして、9月議会に議案を出させていただきました。
接種対象者は満65歳以上の方と、60歳以上65歳未満の方で資料記載の障害者手帳をお持ちの方となります。補正予算額は1億円で、当初予算で自己負担額1500円として計上していた額との差額をこの補正予算議案として計上させていただいています。
県内の政令市、中核市では他にないということなんですが、それ以外の市や町で無料化している事例はあるんでしょうか。
今のところ自己負担額無料は、朝来市と加東市は実施すると聞いております。
これは9月議会の議案ではないのですが、今日初めて発表させていただきたいと思います。明石市は来年4月から育休退園制度を廃止します。育休退園というのは、保護者の方が出産に伴って育児休業を取得された場合、すでに保育所などを利用されているお子さんが退園になることです。
国の「子ども・子育て支援法施行規則」では、保育施設を利用するための保育を必要とする要件として、就労や妊娠、出産、保護者の方の疾病などとともに、育児休業にかかる子ども以外の子どもが現に教育・保育施設を利用しており、引き続き利用することが必要であると認められることと規定されていますが、継続利用できる期間は自治体の裁量とされていますので、自治体によってばらばらというのが現状です。
現在明石市では、育児休業の対象となる児童が満1歳になる年度の翌4月29日まで継続利用が可能としていますが、現行制度では実際に退園になるお子さんが年間数名おられます。また、この制度があるために育児休業を早めに切り上げざるを得ない保護者の方もいらっしゃるとお聞きしておりまして、この制度を廃止してほしいという市民の声を受けて検討を重ねてまいりました。
そこで、このたび、この制度を来年度から廃止し、保護者の方が取得する育児休業の期間までお子さんが継続利用できるようにしたいと思っています。制度廃止により、すでに利用しているお子さんは保育環境を変えることなく通っている園を継続して利用していただくことができますし、保護者の皆さんもお子さんの退園を気にすることなく、育休復帰のタイミングを選択できるようになります。
これは、子どもの環境を変えない、そして、きめ細やかな子ども子育て支援のさらなる拡充の取り組みの一つです。県内中核市では初めての廃止になるということです。変更時期につきましては、令和7年4月1日を予定しておりまして、今後10月1日に新年度の申込パンフレットが公表されますので、それに合わせて市のホームページで広報するほか、認可保育施設への案内を通じて、保護者の方にしっかり周知をさせていただく予定です。
この育休退園は10年ぐらい前から問題になっていると思いますが、なぜ今のタイミングで廃止にするのでしょうか。
私も市長になってから保護者の方々から制度廃止を希望する声もいただいてきましたし、本会議においてもこういった市民の方の声を議員からもお聞かせいただいておりました。実際に子育てしてきた私も実感してきたところですので、安心して育休もしっかり取っていただく中で、子どもたちも環境を変えずにということが大切だと思って決断をしたところです。
待機児童とかの問題があって全国的にあまり進んでいないと思いますが、そこは明石市としてはクリアできるということですか。
いろいろ検討した中で、待機児童が増えるのではないかというような声もありました。制度を残したまま在園児が退園になった場合、空いた枠に別の待機の子どもが入園できますけれども、退園した子どもが新たに申し込みをして入園できなかった場合は、その子どもが待機になりますので対象の子が入れ替わるだけで、この制度と待機児童の問題は直接関係がないと考えております。
これまでに退園を余儀なくされた子どもさんの数は分かりますか。
令和6年4月で1名いらっしゃいます。過去3年ですと毎年1名程度です。
特にそんなに影響を心配するようなことはないということですね。
たくさんの方が育休退園制度によって退園されているかというと、そういうわけではないです。
昔からそうだったんでしょうか。
育休退園制度があるために育児休業を早めに切り上げるということはあったと思うんです。退園するお子さんはこの3年間毎年1人ですけれども、この制度があるがために本来だったらもう少し育児休業を延ばしたいという方も、退園にならないために職場復帰をされるというケースもあったとは聞いております。
ではなぜ今までできなかったのでしょうか。
昔のことは分かりませんが、私も知った以上は、きめ細やかな子ども子育て支援の取り組みというのを進めていきたいので、そのきめ細やかな部分というのは今回の制度廃止だと思っています。やはり、子どもの環境を変えないということはすごく大事だと思っていますので、そこを今回は取り組みたいということで、来年度から廃止ということで決断しました。
育休退園制度を廃止することの意義というのは、毎年1人いた退園しないといけない子どもがいなくなるということよりも、親が育休を長く取りやすいということですか。
たった1人かもしれないですが、これから増えていくかもしれませんし、やはりお母さんたちの中で、子どもの環境を変えないために、本当だともう少し育休を取って下の子を見たかったけれど復帰をする、というようなお声を聞きましたので、子育てをされている方もしっかり育休を取っていただくということも大事ですし、やはり明石市は子どもを主役というか、主軸にしていますから、子どもの環境を変えないというところは大事にしたいと思っての取り組みです。
子どもの環境を変えないという意味でも、この退園している子どもが毎年1人というのは、環境が変わってしまう子どもは毎年1人しかいなかったということですか。この1人以外にも環境が変わる子どもはいらっしゃったんでしょうか。
この制度を原因としてというのは1人です。
1人かもしれないけど、1人の問題で多くの人の課題につながっていくと思いますので、育休退園制度を廃止することで、職場復帰をしなければならないと思っていた方が落ち着いて育休を取っていただけて、下の子をしっかり見ていただけるという効果もあると思いますので、そこはしっかり制度を導入して見極めていきたいと思ってます。
育休退園制度が適用された方は1人しかいないということですが、育休を切り上げてしまっている保護者の方が少なからずいるのではないかという見立てもあるでしょうか。
そういうことです。そういう声も実際に聞いております。
退園になるんだったら、もう一定期間育休を取ったんだから復帰してしまおうという心理が働くのは十分考えられるかなと。そういう方がどれぐらいいるのかとかニーズの調査とかはされてるんですか。
制度があるために、実際に育休を早めに切り上げている方がどの程度いらっしゃるかというところまでは分からないです。一方で、保育所というのは新年度の4月が一番入りやすいというところがありますので、それもあって、育休を切り上げるという方はやはりいらっしゃるのではないかと思っています。
今回の育休退園制度というよりは保育施設の問題になってしまうんですが、先日1日こども家庭庁から待機児童数が公表されて、明石市は50人で全国で6番目でしたが、その要因として考えられることや解決に向けての動きなどはありますか。
待機児童を解消するために保育施設の充実などに取り組んできたんですが、それを上回る保育需要があるということで、そこはさまざまな方法で解決をしていきたいと思っています。
50人の待機児童が出た要因としては、現状の保育施設数を上回る需要があったということですか。
子育て世代の人口が増えているのと、保育園への入園希望も多くなってきているということだと思います。
保育利用率は60%近く、58~59%まで上がってきております。毎年1~2%くらい上がってきています。
既にお知らせをさせていただいているんですけど、「源氏物語×明石2024秋冬」ということで、これからさまざまな取り組みを実施していきます。源氏物語を明石で感じてみませんかということで、この秋から計画しており、いろんなイベントがありますので、取材をお願いできたらと思います。パンフレットも明石市出身のそやままいさんという方がイラスト描いてくださいました。あちこちにポスターを貼ったり、かわいいのぼりを設置したりしています。これはいろんな部署が一緒に関わっているプロジェクトでして、縦割りの時代は終わって、これからは横軸をしっかり通しながらいろんな取り組みを進めていくっていう象徴的なプロジェクトにしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
あと、パリ・パラリンピックで、車いすテニスの上地結衣選手がシングルス、ダブルス両方で決勝に進出されています。明石市出身で明石商業高校卒ということで、今日の夜にダブルス、明日にシングルスの決勝があるので、応援したいと思っています。
先般、市民グループがPFAS問題を受けて、独自に血液検査の結果を公表されました。サンプル数は30人あまりではあるんですが、半数ぐらいの方がアメリカの基準を超えるような高い濃度の血中PFASが検出されたという現状が報告されたんですけれども、これに関しての率直な所感を伺えますか。
先日発表された結果については、私自身はまだつぶさに拝見しておりませんけれども、所管から概要について報告は受けております。参加された33名のうち約半数でドイツ基準やアメリカガイドラインの値を超えていたということで、水道水の利用が血中濃度の増減と相関していて、汚染源の一部は水道水が要因と推定されるのではないかというような発表があったと聞いております。皆さんもご存じのようにこのPFASというのは、かつてはフライパンなどの調理器具や食品用包装紙、化粧品と広範囲に使われてきたもので、人の体内に入る経路はさまざまであると考えられていますので、その経路の一つに水道水も考えられるというところですけれども、今回のこの結果をもって、その影響がどの程度かということははっきりわかっておりませんし、内閣府の食品安全委員会のワーキンググループの評価では、血中濃度の結果からPFASの摂取量とか、曝露量、時期、期間などを推測することは、現時点での知見では困難とされていますので、その辺りは国の動向を注視していくことしかないかなと、今の段階では思っております。
ただ、明石市の水道水におけるPFOSとPFOAの合計濃度は、令和2年に水質管理目標設定項目に設定されて以降、国の暫定基準を下回るようにしっかり処理はしてきておりますので、現在の水道水が高い値の原因には当たらないのかなと思っております。
グループの皆さんは、今回カンパを募って自費で高額な検査を受けられたということなんですけれども、行政の公的な検査が必要だというお声を聞いたんですが、そこはいかがですか。
これまでも本会議の場などでもお伝えしてきたんですけれども、現時点での知見では、どの程度の血中濃度でどのような健康影響が生じるかというのは明らかになっておらず、そのため血中濃度に関する国としての基準を定めることも、検査時点の血液検査の結果のみをもって健康影響を把握・予測することも、今は困難であるということですので、現在のところは血液検査の実施や助成については考えてはいないところです。今後、国の情報もしっかり取って連携も進めていますので、国から新たな方針が示された際には、その方針に則り、速やかに対応していきたいと考えております。引き続き国との連携、情報収集は、今回環境省から福嶋理事も来ていただいていますので、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
化学物質と健康影響というのは、我が国の歴史を振り返った場合に、カドミウムとかも含めて国の対応方針が後手後手に回ってタイムラグが出てしまって、甚大な健康被害が出た後に救済というふうにものすごく遅れると思うんですね。そういう意味では、独自に明石市が率先して、例えば疫学的な調査のデータを集めるという観点でも、何かやってもいいのかなという印象があるのと、国が今は知見がないといいますが、その知見のための疫学的なデータとしても、明石市の取り組みを例えば国のプロジェクトに組み込むとか、いろいろな方法があると思うんですが、明石市から何かもっと発信するというのはいかがですか。
そこは今、環境省ともやりとりしていまして、理事の力も借りて国の情報を収集したり、明石市として必要な対応の検討を進めているところです。
環境省でも検討を進めているところで、暫定基準についても、食品安全委員会の評価も踏まえての検討会議がありましたので、おそらく年度内か年度明けぐらいには何らかの情報が出るのではないかと思っております。アメリカやドイツや他の国でもいろんな議論がなされていますので、そういった動きを見ながら国も検討を進めている。明石市としては国の動きや情報を入手しつつ、市民団体が血液検査をされたということも環境省に伝えておりますので、随時タイムリーな情報交換をしていきたいと考えております。
基礎自治体独自の取り組みとしましては、千葉県鎌ケ谷市が、浄水器購入補助や血液検査の補助を検討されたりとか、岡山県の吉備中央町は血液検査をやるということなので、基礎自治体独自で、今ある不安に対して対処できることもあると思うんです。明石市はそういったことを率先してやるというイメージもあるんですが、国の対応を待たずに何か今打てる手みたいなところはいかがですか。
鎌ケ谷市は井戸水から検出されていて、その井戸水を飲料水として使っておられる方に浄水器や血液検査の補助をされるということですので、本市においては市民の皆さんが飲まれる水道水は、令和2年度に管理目標が設定されて以降、国の暫定基準値を下回るように処理していますので、少し状況が違うと思っております。市でできることとしては、市民の皆さんがもし不安に思っておられるとすれば、相談をしてくださいということです。例えば健康面に不安のある方は市の保健所に健康相談をしていただき、水道水に不安のある方は市の水道局の方へご相談ください。また、市としてはホームページも含めて、しっかり必要な情報を提供していきたいと思っています。市では環境省から担当者に来ていただいて、職員向けにPFASに関する勉強会も開催したり、しっかり国と連携しながら情報収集に努めておりますので、そういったことも市民の皆さんにもしっかり発信しながら進めていきたいと思っています。
4年前から対応して、今現在の水道水は確かに基準を下回っているんでしょうけど、それ以前に曝露されているかもしれないという可能性とかを考えた場合に、安全・安心と言えるのかというのは疑問だと思うんですけど。蓄積されたりする可能性とかですね。その辺りはどうお考えになっておられますか。
過去にどれぐらいの濃度のPFASが明石市の水道に含まれていたかは分からないです。近年問題が明らかになって対応を始めたというところがあります。例えばPFAS濃度が高い方が何か腎疾患とか生まれてくる子どもに影響があるのではと言われておりますが、人体で実際に影響が出ているのかということは今のところ分かっておりません。影響があるかないかというのも、もう少し知見を集めていかないとわからない。本当に最近出てきた問題なので、過去のデータも全国的に見れば取っているところもあるかもしれないが、PFASに特化したデータというのはおそらくないのではないかと思います。
上地選手についてですが、市や学校、地域などで応援の動きとかはありますか。
市では駅前のデジタルサイネージで上地選手の情報を発信させていただいたり、それから事前にこども食堂の子どもたちが上地選手にメッセージを書いてもらって、私もメッセージを書かせていただいたんですけれども、冊子にしてお届けをしています。
上地選手のスポンサーと連携して市も応援をしており、メダルを取られたら、あかし市民広場に「おめでとうございます」などのメッセージを出せたらいいよねなどと考えております。
源氏物語のプロジェクトですが、これは大河ドラマを受けてということですね。
そうですね。大河ドラマも今ちょうど源氏物語が取り上げられていて、明石市は源氏物語ゆかりの地がありますし、市民の皆さんにも紫式部とか、源氏物語に関心を持っている方もいらっしゃると思いますので、この機会にぜひということでさまざまな取り組みをさせていただいています。
大河ドラマに絡めて地域を盛り上げるというのは、非常に良い取り組みだと思うんですけど、もうドラマが始まってだいぶ経ちますので、ちょっと遅すぎなんじゃないかなと思ったんですが。
準備はずっとしていて、文化博物館が9月に企画展をしますし、天文科学館も9月に「源氏物語と月」という企画をプラネタリウムでするとかが決まっていましたのと、観光ガイドさんによる源氏物語ゆかりの地のツアーは早くから取り組んではいただいていましたので、今回は今までやっていることも含めてまとめて発信をさせていただいたということです。
文化博物館と天文科学館は、このキャンペーンに合わせて9月に始めることになったのか、たまたま個別に9月に始めようとなっていたんですか。
一緒に考えながら9月ぐらいでということで進めておりました。
記者
大河ドラマは、1年から2年ぐらい前からタイトルやあらすじなんかが決まっていて、自治体なんかはそれぐらいから、ドラマが決まったらまちおこしのツールとして考えるんじゃないかと思うんですが。
私が市長になったのが1年4か月前ですので、それから超特急でプロジェクトを作って現在に至るということです。
繰り返しになりますが、ちょっと遅いんじゃないかなと思いますね。ドラマも3分の2ぐらい終わってという時期なので。
ドラマでは今から源氏物語が書かれていきますので、ちょうどタイミングとしてはいいのかなとは思っています。
ドラマではちょうど今源氏物語が中心になって、私は逆にこの秋のタイミングはぴったりだと思うんですが、市長ご自身の源氏物語のこういうところが好きだとか、明石市ってこんなに源氏物語の世界観に浸れますよといったところを聞かせていただけますか。
明石は源氏物語の13巻目に登場するんですけど、この源氏物語って架空のお話じゃないですか。実際に光源氏が明石に来たわけでもないのに、源氏が通ったであろう蔦の細道であるとか、源氏を須磨から明石へ導いた明石入道が住んでいた浜の館の跡とされている善楽寺さんとか、そういうふうに見立てられていて、不思議だな、面白いな、と思っていたんですけど、それを文化博物館の学芸員とか、いろんな方にお聞きする中で、実は第五代明石藩主の松平忠国公が、350年以上前の江戸時代に、源氏物語が好きで、源氏物語に登場する明石の様子を実際のお寺とか細道に見立てたっていう、ある意味現代でいうところのテーマパークとかツーリズムのはしりみたいなことをやっていた。この忠国公は林崎掘割も作ったような方なので、すごくアイデアマンだったんだろうなって思うんです。なので、私もこういう方にあやかって明石のまちをアピールしていきたいなと思っています。
源氏物語はどんなところがお好きですか。
私は高校生の頃に源氏物語の世界に魅了されて文学を学びたくなったんです。源氏物語って読んでいるだけでその時代が絵のように浮かび上がってくるというか、すごく素晴らしい描写というか、紫式部さんがすごく表現力豊かで、全然その時代を知らない私がその時代の中にタイムスリップしたような気がしてすごく魅了されたんですね。それからもっと文学を学びたくなって、高校を卒業してすぐ就職したんですけど、働きながら、仕事が終わったら電車に駆け込んで夜間の大学に通うっていうきっかけ作ってくれたのが源氏物語なんです。そして今、市長をやらせてもらって、第五代藩主の松平忠国公も源氏物語のファンだったっていうことで、親しみを感じるというか、運命を感じるというか、そういう気持ちでいましたし、私は市政に横軸を通したいと思っていたんですけど、こういう楽しい1つのテーマから横軸を通すような取り組みが積み上げていけたらいいなということで、源氏物語をテーマに、関係する部署に集まってもらって、みんなでアイデアを出し合って出来上がったのがこのプロジェクトなんです。そういう横軸を通していくモデルでもあるかなと思っていますし、それぞれの団体の方も知恵を出し合ってアイデアを出してくれていて、それはすごく嬉しいなと思ってます。
市内外、県内外の方にぜひ明石に来てもらって、源氏物語の世界観に浸ってほしいなというところですか。
源氏物語の世界観もですし、やさしい明石のまちをぜひ感じていただけたらなと思っております。
今回のプロジェクトは市長が呼びかけられたということですか。
文化博物館は決まっていたと思います。観光ボランティアさんも源氏物語ゆかりの地はずっと案内していただいてましたし、私も以前YouTubeでそのことを発信させてもらったんですけど、やっぱりせっかくやるなら、ばらばらじゃなくて情報がまとまっていた方が市民の皆さんにも伝わりやすいだろうし、1つのプロジェクトとしてまとめようかということで呼びかけました。
それはいつ頃の話ですか。
昨年の年末か今年の初めぐらいですね。
結構前からやってらっしゃったんですね。
そうなんです。でもすぐにはできないんです。今回、明石文化国際創生財団も「明石de月見の宴」というすごく楽しいイベントも企画してくださってますが、そういう企画をするのに時間がかかりますので。
市長が呼びかけたのは、今年の初めということでよろしいですか。
それくらいだったと思います。広報あかし2月15日号で「源氏物語ゆかりの地 明石」という記事を掲載していて、その頃にはもう話は出ていましたので、今年の初めですね。
県の文書問題に関してなんですが、前回会見をされてから約1か月が経ちまして、その間にパワハラを見聞きしたっていう職員がたくさんアンケートに答えていらっしゃったりとか、市長自身も市長会に出られて、市長会としても混乱収束を要望されたりと、かなり状況が変わってきていると思うんですけれども、改めてこの文書問題に対しての意見ですとか、思いっていうのを教えてください。
まず市長会におきましては私も発言させていただきまして、その時点、8月7日時点では、県政のあり方や体制については市長会として言うべきではなくて、県としてしっかり自分たちでちゃんと解決してほしいということ。ただ、今の県政の混乱というのは県民にとって望ましいことでないので、早く解決してほしいということ。現在もそうですけど、ルーチンワークの中では市政への影響というのは出ていないんですけど、今後、例えば新たな事業の実施であるとか、来年度予算に向けてであるとか、県と一緒にやっていかないといけないこともありますので、こういったことは停滞しないように、市長会としてもしっかり注視してその思いを伝えていくべきだということは、市長会のときに申し上げていて、その思いは変わっていません。
市の内部には、9月の定例の局部長会で、もし各所管で事務に支障が起きているようなことがあれば、また今後心配されるようなことがあれば、市長や副市長に報告してくださいということは伝えていて、各局で確認をしてもらっているところです。また、知事の件に関して、市の職員としては動揺しないようにということも伝えました。それと同時に明石市役所内においてもパワハラはあってはならないことなので、まずは局部長から日々の業務を振り返ってほしいということと、部下で気になることがあれば教えてほしいと伝えました。明石市は公益通報の仕組みがしっかりしていますので、そのことも各職員にしっかり周知してほしいということで、明石市として今一度、そういったことが無いように取り組んでいっています。
市長は齋藤知事の進退についてはどのようにお考えですか。
進退は知事自身がお決めになられることだと思います。私も百条委員会の知事の部分は聞かせていただきましたし、また明日知事が出られるということですので、そこの発言を注視しながらですけれども、知事の発言の中で、規模は違いますけど同じ首長として少し理解できないなとか、私は絶対にそんなことはしないなと思ったことはいくつかありました。
例を挙げるとするならば、どのへんが理解できない部分でしたか。
例えば、緊急性のない事項について夜中にチャットで指示をするとか、付箋を投げるとか、机をたたくとか、自分は遅刻するのに職員の遅刻は許さないとか言われてましたけど、私は少なくともこの1年4か月はそういったことはしていないと思っています。それと、職員に対する人望よりもまずは県民の目線が大事というようなことも言われていたかと思うんですけど、私自身も市民目線の市役所作りっていうのはすごく大事にして力を注いでいますし、職員にも局部長会や職員研修や市長ゼミなどでも折に触れて市民目線で仕事をしていこうということと、1人で悩まないでみんなで知恵を出し合える組織にしようとか、明るく仲良く、何よりも透明性のある正しい仕事をしようとか、そういうことをずっとお願いさせていただいて、私の思いは伝えているんですけれども、やっぱりそれを伝えるためには、市長に人望がなければ職員にその思いは響きませんから、だから本当に県民目線の仕事をするには、やはり職員に対する人望も大事なんじゃないかなというふうに感じました。
いろいろパワハラの話が出てきて、知事の今まで見えていた顔と違う部分というのも出てきているんじゃないかと思うんですが、明石公園を一緒に歩かれていた写真を見ると、知事もすごくいい顔で歩いてましたけど、その時に感じた知事の姿とこの一連の報道で感じる知事との間にギャップっていうのはありますか。
あの時は本当に穏やかで、私がお渡しした手作りのドングリ笛も首からかけましょうって言われてずっとかけておられましたし、陸上競技場に行った時も、私はスターターの役だったんですけど、音が怖いですと言ってたら、ドングリ笛があるんだからドングリ笛で合図をされたらどうですかとか、せっかく子どもたちがいるんだからドングリの話を子どもたちにしてあげてくださいとか、すごく心配りをされるところもあったり、あと陸上競技連盟の方ですかね、来られてた方々が、いろんな要望を知事にされていた時も穏やかに聞いておられて、職員に特別厳しい指示を出すとか、そういう姿もなかったので、穏やかな方だなっていう印象でした。
市長ご自身が就任直後は、市政をボトムアップに変えるとかですね、職員さんにもいろんな思いがあるから、できるだけ直接面談して思いを聞き取ってとおっしゃっていましたが、改めて知事の職員さんへの接し方であったり、パワハラ疑惑が浮上するようなマネジメントとか、首長の行政運営の問題点とかについてどうお感じになったのかを、ご経験とか課題、問題意識なんかを踏まえて教えていただければと思います。
実際にパワハラと言われる行為を私は見たわけではないので、どういう状況だったか分からないですけど、パワハラというは相手がパワハラだと感じればパワハラだというふうに思いますので、そこを否定するのではなく、改めていくということが大事だと思います。私自身は本当に言葉ひとつに気をつけて過ごしています。
そういう意味では、トップダウンの弊害であったり、職員さんを活かすという意味でのボトムアップということについて改めてお考えを聞かせてください。
やり方はいろいろあると思うので、ひとくくりにトップダウンとかボトムアップとか、どっちがいいとか悪いとかではなく、私もボトムアップのところもあれば、それこそ災害ですとか、すぐに判断しないといけないことは、やはりトップダウンでやらなければならないですし、もし市民に不利益が生じるようなことがあったら、職員にも厳しく注意することはあるかもしれません。でも、ちゃんと信頼関係があって、いいことも悪いことも話し合えるような環境づくりというのを心掛けていて、悪いことこそ隠さずにすぐに連絡して、一緒に知恵を絞って今できる最善のことをしていこうということでやってますので、日々いろんなことがありますけど、すぐに情報上がってきて、一緒に改善していくというプロセスをいろんな職員と積み上げていくことで、信頼関係とか一緒に考えるっていう癖ができてくると思っています。私が目指しているのは笑顔あふれる明石市役所なので、どこへ行っても笑顔の職員がいるなというふうにしていきたいですし、部下が困っていたり、しんどい時とか相談したい時に、上司が怖い顔だと相談できないですけど、普段から笑顔で接していたら意思疎通ができて、困っていることも解決ができたりするので、職員には笑顔でとお願いしております。また、管理職の皆さんが悩んだり、苦しくなったら、私に相談してくださいって言っていて、ビジネスチャットは誰でも市長とつながれるようにしていますので、何かあったら遠慮なく言ってもらえる市長でありたいと思っていますし、そういう発信を常にしているつもりです。だけど、県もそうでしょうけど、市もたくさん職員がいて、考え方もさまざまですので、そこは丁寧にしっかりと市長の思い、市民に寄り添う笑顔あふれるやさしい明石を一緒に作っていこうという発信を常にしていくことが大事だと思って取り組んでいます。
今のところ、県の混乱で市に何か影響が出ているということはないという認識でよろしいですか。
そうですね。今のところ影響は出ていませんが、今後、来年度予算であるとか、明石市でも県と連携して進めていくような取り組みがありますので、そこは停滞することがないようにということはお願いしたいと思います。
それと、内部公益通報について県の百条委員会で取り上げられると思いますが、県は内部公益通報の窓口が県庁内部にしかないんですけど、明石市の場合は庁内と外部と両方あるんです。内部に通報した場合も、そのまま自動的に外部の公益監察員に届ける仕組みがありますので、そういう意味では内部公益通報の仕組みというのはしっかり作っているので、そういうことも今後いろんな市町で広がっていけばいいなと思っています。
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