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更新日:2013年10月15日
明石は古くから秋祭りが盛んな地域。市内に約40台ある「布団太鼓」のほか、みこし、だんじり、獅子舞などが秋祭りを彩ります。今回は、明石の祭りの主役「布団太鼓」について担ぎ手などの皆さんの声と合わせてご紹介します。
瀬戸内地方を中心に各地で見られることができる布団太鼓は、担ぎ棒の上に幕や座布団形の屋根を重ねた、みこしに似た屋台です。幕の内側の太鼓を乗り子がたたいて神社や地域を練り歩きます。市内各地に約40台が現存。なぜ布団を乗せたのかは「神様が座れるように」という説をはじめとしたさまざまな説もありますがよく分かっていません。
岩屋神社 |
鳥羽八幡神社 |
青龍(せいりゅう)神社 |
住吉神社(大久保町谷八木) |
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住吉神社(魚住町中尾)・布団太鼓4台 |
宗賢(そうけん)神社(魚住町清水) |
清水神社・市内唯一の黒屋根 |
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赤色3枚の平屋根で、布団台の下にすぐ幕がある寸胴(ずんどう)形をしたものが多くあるのが明石ならではの特徴。他の地域では見られない貴重なものです。とはいえ、地域によって形や装飾もさまざま。和坂(林神社)の一枚布団や、魚住町清水(清水神社)の黒屋根など布団の枚数や色が違うものもあります。ちなみに、大阪や淡路島では布団の枚数は、5枚が中心。二見町など市の西部では、高砂市の曽根天満宮などでよく見られる反り屋根をしたものも見られます。
写真 戦前の林地区の布団太鼓。 |
写真 古くからの形を引き継いでいる宗賢神社(大久保町西脇)の 布団太鼓 |
市内各地の布団太鼓に関わる地域の皆さんに、布団太鼓の魅力や熱い思いなどを聞きました。
夜店も出る賑やかなお祭りで、二見地区ならではの「反り屋根」や凝った装飾のある布団太鼓は市内最多の8台が練り歩く。20年以上担ぎ手をしているという地蔵町地区(二見町東二見)の西尾泰明(にしおひろあき)さん(41歳・右写真中央)。「子どもたちも布団太鼓が大好き。地元の皆さんにも差す(持ち上げる)迫力を間近で感じて、布団太鼓を好きになって欲しい」と話します。
布団太鼓の担ぎ手が多くて困るというほど盛況な八木の秋祭り。子どもみこしなど、地域の各世代が祭りに参加できるようさまざまな工夫を凝らす。これまでは乗り子として参加し、今年から担ぎ手に挑戦する高校生、大久保町八木の奥村政樹(おくむらまさき)さん(16歳・左写真右側)と渡辺和也(わたなべかずや)さん(16歳・同左)は、「布団太鼓は年代問わずみんなで盛り上がれて最高。毎年楽しみ」と話す。谷八木、西八木の布団太鼓との3村合同の練り(今年は谷八木小学校で開催)も見どころです。
同じ村の中で東住吉講と西住吉講に分かれ、それぞれの講の布団太鼓が祭りに参加する。大久保町大久保町の安藤正博(あんどうまさひろ)さん(66歳・右写真)は「祭りは、地域の伝統や歴史に親しんでもらえる良い機会。新しい家が増えているので、門戸を広くして、新しく越してきた人と一緒に楽しみたい」と話す。2つの布団太鼓の長時間の練りが見どころです。
「1枚布団」が特徴の和坂の布団太鼓。1トン以上ある布団太鼓を担ぎ、林神社の急な石段を担ぎ上がる。担ぎ手の衣装も、短い法被・サガリのついたまわし・地下足袋と、昔からの姿を守り続けている。最近は乗り子に女性も参加、和坂の柁川和乃(かじかわかずの)さん(14歳・左写真中央)は「小学3年生から乗り子として参加。来年は担ぎ手になる年なので、受験もあるけど絶対参加して、和坂初の女性担ぎ手を目指したい」と意気込む。今年初参加の阪本蘭(さかもとらん)さん(14歳・同右側)や和乃さんの乗り子6年目の弟・柁川新風(しんぷう)さん(12歳・同左側)ら若い世代が祭りを盛り上げます。
かつては人手不足で布団太鼓を出せない年もあったという同地区。15歳から布団太鼓を担ぐ岬町西部3丁目地区(岬町)の鳥居尚之(とりいなおゆき)さん(51歳・右写真)は「10年前から毎年布団太鼓を出し続けて、関わる人も増えた。1年に1回地域が賑やかになるし、地元を離れた人が戻ってきて顔を合わせられるのも秋祭りの魅力」と話す。子どもの数が少なくなるなか、地元の灯を絶やさないための貴重な秋祭りに注目が集まっています。
※写真は過去の秋祭りの様子。明石の布団太鼓プロジェクトや各地域の皆さんなどからも一部提供いただきました。
約1400年前の歴史を持つ稲爪神社(大蔵本町)では、高さ4メートルを超える大技「三人継ぎ」が迫力の「大蔵谷獅子舞(写真左・兵庫県指定無形文化財)」のほか、明石市指定無形文化財の牛乗り(写真中央)や囃口流し(写真右)など古くから残る貴重な伝統神事が目白押しです。
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