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更新日:2022年3月25日
[日時]
平成13年12月22日(土曜日) 13時15分~13時30分
[場所]
明石市役所303応接室
[出席者]
委員長 原田 直郎、委員 小越 芳保
Q 将棋倒しと群衆なだれはどう違うのか。
A 将棋倒しというのは一方向に圧力がかかって倒れていくが、群衆なだれはお互いの相反する力がぶつかり合って揉み合いが生じて起こる転倒現象だと言えるのではないか。正確なところは報告書に盛り込まれる。
Q メカニズムとしては将棋倒しよりも群衆なだれのほうが複雑ということか。
A そうだ。聴き取りによる事故の状況を踏まえた上で、専門の立場から見れば将棋倒しとは違うのではないか、というところからでた言葉で、報告書でも使うつもりだ。「将棋倒し」というよりも、「群衆なだれ」という言葉を使うほうが、より適切であると考える。
Q 群衆なだれのメカニズムの部分については、ある程度原稿は出ているのか。
A かなり原稿はでているが、最終稿としては詰めなければならない部分がでてきたので、正月を挟んでしっかり書いて欲しいということになった。
Q 第3部の提言部分は、どのようなものか。
A 雑踏において、このような事故を起こさないようにするためには、事前準備のときからどのようなところに目配りをしなければいけないかといった、全般にわたった観点からの提言になろうかと思う。
群衆が集まればどのようなところに気を付けなければいけないかということだ。
Q 事前準備といっても範囲が広いが、特にここは問題というところはつかんでいるのか。
A 結局、予見可能性があったのかどうか、それに応じての結果回避の可能性があったのかどうか、ということになる。事故原因の調査と判断はここにターゲットを当てて検討することになる。事前準備から結果の発生まで入ることになる。
結果回避の可能性については、その前に予見可能性がなければならない。「ここで、手を打てばよかった。」「ここで手を加えれば、事故が防げた。」といった考えは、予見可能性が有ったのか無かったのか、という前提を欠いた議論になる。予見可能性が無ければ、結果回避の可能性は無くなってしまう。結果回避の可能性の議論は、予見可能性があってはじめてできるもの、これは過失があったかどうかの判断をする上で定説である。
Q 先日の県議会で、県警の地域部が報告書を提出しているが、それは見たか。
A じっくり読んでみるが、大筋で違ってないという気がする。
Q 警察の報告書は警察の言い分を全面的に取り上げているが、市職員からの聴き取りとは違うものになると思うが、どのようにするつもりか。
A あの混乱のなかで正確に当日の状況つかむのは困難だ。大混乱の最中なので、食い違いが出るのも無理ないと思う。お互いが嘘を言い合っているというのではなく、大混乱のなかでの一人ひとりの個人の認識は、違う部分が出てきても仕方がないと思う。
警察と市と警備会社の協議が何回も行われているが、会議録がつくられていない。そういうことからも、後から話の食い違いが出てくるのも仕方がない。したがって、この事故に限らず、きっちりと会議録をつくっておくのも大事なことだ。
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